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2020.10.29 メルマガバックナンバー vol.49 LDLは本当に悪玉か

2020.6.17配信
 
こんにちは!山下あきこです。
 
皆さんは、「コレステロール」というと、どんなイメージが湧きますか?
肥満や心臓病などを引き起こす体に良くない油」こんなイメージを持っている方が多いのではないかと思います。
 
コレステロールは、そんなに悪い奴ではありません。
とても重要な働きをしています。むしろ、ないと体はうまく働きません。
そして、LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」なんて呼び名をつけられていますが、悪さばかりしているわけではありません。
ちゃんと体にとって役に立つ働きを毎日行っているのです。
 
今回は、あまりにも誤解の多いLDLコレステロールについて語ってみたいと思います。
 
 
コレステロールの働き
コレステロールには大きく3つの役割があります。
 
1、ホルモンやビタミンの素
女性ホルモン、男性ホルモン、副腎皮質ホルモン、ビタミンDは、コレステロールから作られています。
2、細胞壁の成分
体中のどの細胞も、壁はコレステロールでできています。肌、血管、内臓、全てを形作っているのはコレステロールなのです。
3、胆汁の成分
胆汁は、肝臓の解毒、老廃物の排出、脂質の吸収を行います。悪いものを出して必要な油の成分を体に取り入れるために必要な胆汁ですが、この主成分はコレステロールです。
 
LDLコレステロールの働き
肝臓で作られたコレステロールはそのままだと血液中に溶けずに浮いてしまうので、LDLがくっついて運搬して各臓器に届けます。LDLが足りないと女性ホルモンもビタミンDも作られないというわけです。
LDLが高いと健康診断で要注意と言われますが、低すぎる人には何も指摘がありません。
低すぎると、女性ホルモンの不足でイライラなどの不調を起こしたり、男性ホルモンの不足で活気がなくなり疲れやすくなったり、ビタミンDの不足で免疫力が下がり感染症にかかりやすくなったりします。
 
コレステロールが低いと死亡率が上がる
J-LITという日本人5万人以上が参加した大規模研究の結果では、総コレステロール240mg/dl以上、LDLコレステロール160mg/dl以上で心臓血管病による死亡率が上がり、総コレステロール値が180mg/dl未満とLDLコレステロール値が80mg/dl未満でがんなどによる死亡率が高いという結果が出ています。
高すぎても良くないですが、低すぎる方が遥かに死亡率が高いのです。
コレステロールは下げれば下げるほど良い、コレステロールが低くて亡くなった人は肝硬変などで下がっているだけ、などの理由で、低い値のリスクはあまり問題視されない医師の意見も多数あります。コレステロールにまつわる論争はまだまだ続いています。
また、以下のようなデータもあります。
 
・男性
 LDL<100 がん、肺炎などが増加
 LDL>180 心血管系疾患 増加
・女性
 LDLによる死亡率の変化なし
・男女
 LDL<100 心血管系疾患 増加
 
LDLが高くて悪いのは、男性でLDL 180mg/dl以上の人だけであり、女性の場合はLDLと死亡率は関連がないという結果になっています。
 
さらに、LDLを下げるために良く処方されるスタチン系薬剤については、高いからといって薬で数値を下げてもその後の死亡率は変わらないので、一次予防の効果はない、という研究結果もあります。(例外は、糖尿病の人と、高齢で収縮期血圧が180mmHg以上の場合です)しかし、心臓病になった人はスタチンでLDLを下げると予防効果があります。
数値が高いから病気にならないように薬で下げておこう、というのを一次予防と言い、病気になったことがあり、再発しないために薬を飲もう、というのを二次予防と言います。
まとめると、一次予防に効果があるのは糖尿病や高齢で高血圧の男性だけ、二次予防には飲んだ方が良い、ということです。
外来に通院してスタチン系薬剤を飲んでいる多くの方々は、上記に当てはまらない方々です。数値を下げすぎてがんになるリスクもあるので注意したほうがいいにもかかわらず、いくら低くても薬を飲み続ける方、処方し続ける意思がまだまだ多いのが現状です。
 
LDLと動脈硬化の関係
LDLコレステロールは血中を漂っていますが、活性酸素があるとくっついて酸化LDLコレステロールになります。実は、この酸化LDLコレステロールこそが血管の壁に入り込んで動脈硬化を進ませる悪者です。
悪いのはLDLではなく、酸化LDLなのです。
酸化LDLは活性酸素があると作られるので、体に取り入れないようにした方がいいのは体に重要な働きをしているコレステロールではなく活性酸素だといえます。
酸化LDLさえ作らなければ、いくらLDLが高くても悪さはしないのです。だから、LDLなのか酸化LDLなのか分からないのに、下げる必要のない方々のLDLの数値をやみくもに下げようとするのは乱暴で危険な行為だと思うのです。
 
超悪玉コレステロールとは
Small dence LDL( sdLDL)というのがあります。ものすごく小さいLDLです。実はこれこそが悪玉です。LDLの中にこれが多く含まれている人は、LDLを下げるべきです。
sdLDL にはこんな特徴があります。
 
・酸化LDLに変化しやすい
・血糖が高いと増加する
・中性脂肪が高いと増加する
 
まとめますと、
 
1、LDLには良いものも悪いものも含まれるので、減らした方がいいとは限らない
2、動脈硬化の原因になるのは、酸化LDL
3、sdLDL は酸化LDLを作りやすい
 
 
私たちがとるべき対策は・・・
糖質制限が広まって久しいですが、糖質を控えることは酸化LDLを増やさないためにとっても有効です。特に、果糖は単糖類の中でも100%肝臓に移行して中性脂肪を作り出すのでかなり注意して避けた方が良いです。果糖といえばフルーツを思う方もいらっしゃいますが、フルーツは食物繊維が一緒に入るので肝臓で緩やかに吸収され、そこまで悪さはしません。NGなのはジュースや加工食品に入っている果糖ブドウ糖液糖です。中毒性があり、甘味が強いので味覚を麻痺させ、どんどん摂取量が増えていきます。
甘いジュース、缶コーヒー、野菜ジュース、調味料、菓子パン、プリンやゼリーなどに多く含まれます。
 
糖質をなかなかやめられない方は、食物繊維をたくさん摂るようにすると糖の吸収を抑えてくれるのでおすすめです。
糖質はかなり控えているのにLDLや中性脂肪が高いという方は、アルコールや小麦製品、乳製品などの摂取が原因かもしれません。普段毎日食べている食材を振り返り、上記に当てはまるものがあれば1つずつ控えてみて検査を受けられると、原因が分かってくるかもしれません。
 
おやつ、ビール、パンなどのどれかを毎日摂取していて、「どうしても食べ続けたい!」という場合は、やめられないほど毎日摂取していて依存状態になっている可能性があります。1つの食材を取り入れないで7日間ほど過ごし、脳と体をリセットすることをお勧めします。
 
糖質を控えると同時に大切なのは活性酸素を増やさないことです。
揚げ物などの高温調理では酸化した油を取り込み、活性酸素を増やす原因になります。抗酸化物質と言われる食品を多く取り入れると、体内の酸化が抑制されます。
以下のような抗酸化物質を普段から食生活に取り入れるようにすることが大切です。
 
ちなみに、卵は何個食べてもコレステロールを上げませんので、制限する必要はありません。極端に毎日大量に食べるのは、遅延型アレルギーをひきおこしやすくなり体調不良の原因になるので、1日1~2個までがベターです。
 
これだけ語ってもまだ全然伝えきれませんでしたが、
コレステロールやLDLが悪いものではなく、必要なものであること、酸化LDLを作らないためにはどのような食生活をしたら良いのか少しは伝わったでしょうか?
 
健診での結果に惑わされてLDLをやみくもに下げようとするのはやめて、中性脂肪と活性酸素を増やさないように食事に気を配って快適な身体を作っていきましょう。
 
 
 
 
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