vol.47 ハラスメントはなぜ起こる? | 株式会社マインドフルヘルス
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2020.10.01 メルマガバックナンバー vol.47 ハラスメントはなぜ起こる?

2020.5.20配信
 
こんにちは!山下あきこです。
今日のメルマガはハラスメントについてです。
 
パワハラ防止法がスタート
2020年6月1日から職場におけるパワーハラスメント対策が日本の大企業の義務になります。中小企業は2022年4月1日からです。企業に相談窓口や再発防止策が義務付けられ、行政の勧告に従わなかった場合は企業名が公表されます。
 
厚生労働省からは2020年1月にパワハラ防止のための指針が出されました。
同時に、セクシュアルハラスメント、育児・出産等に関するハラスメント、育児休業に関するハラスメントにおいても防止策の指針が改正されて対応の強化を求められています。
 
ハラスメントの種類
ハラスメントとは、立場や優位性を利用して嫌がらせをすることです。50種類以上あると言われています。下にあるのはその一部です。
 1.パワーハラスメント(パワハラ)
 2.セクシャルハラスメント(セクハラ)
 3.セカンドハラスメント(セカハラ)
 4.モラルハラスメント(モラハラ)
 5.アルコールハラスメント(アルハラ)
 6.ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)
 7.アカデミックハラスメント(アカハラ)
 8.リストラハラスメント(リスハラ)
 9.テクスチュアハラスメント(テクハラ)
 10.キャンパスハラスメント(キャンハラ)
 11.スクールセクシャルハラスメント(スクハラ)
 12.エレクトロニックハラスメント(エレハラ)
 13.エイジハラスメント(エイハラ)
 14.シルバーハラスメント(シルハラ)
 15.マリッジハラスメント(マリハラ)
 16.マタニティハラスメント(マタハラ)
 17.パタニティハラスメント(パタハラ)
 18.ケアハラスメント(ケアハラ)
 19.パーソナルハラスメント(パーハラ)
 20.ラブハラスメント(ラブハラ)
 21.終わらせハラスメント(オワハラ)
 22.スモークハラスメント(スモハラ)
 23.スメルハラスメント(スメハラ)
 
今回施行される職場のハラスメントについて、ポイントとなるのは以下の3つです。
 
・優越的な関係を背景とした言動
・業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
・労働者の働く環境に支障があるほどの、精神的身体的苦痛があるもの
 
具体的には、以下のようなものが例に挙げられます。
 
・叩いたり、蹴ったり、物を投げつける
・人格を否定するようなことを言ったり、長時間叱責したり、人前での激しい叱責を繰り返す(メールも該当
・仕事を外したり、隔離したり、集団で無視したりする
・過酷な環境下での労働を長時間行わせる
・必要な教育を行わないまま、到達できないレベルの業務目標を達成させようとする
・業務に関係のない私的な雑用を強制的に行わせる
 
ハラスメントが起こる心のメカニズム
マズローの欲求5段階の節によると、人間の欲求には「尊敬されたい」「正しいと認められたい」「価値があると思われたい」など、人から認められたい承認欲求があります。
 
図はマズローの5段階欲求を表しています(shutterStockより)
下の欲求が満たされると、上に上がっていくと考えられています。
ピラミッドの上から順に解説します。
 
・Self-actualization
 自己実現の欲求:能力や可能性を最大限に発揮したい
・Esteem
 承認欲求:集団から存在価値を認めてもらいたい
・Love and belonging
 社会的欲求:家族や仲間とともにいたい
・Safty
 安全の欲求:安全な場所にいたい、健康でありたい、お金が欲しい
・Physiological
 生理的欲求:食べたい、飲みたい、眠りたい
 
そもそも承認欲求は悪いものではありません。これがあるから自分を高めようと努力し、承認されることで達成感が上がり、さらなるやる気につながります。
しかしこの承認に執着すると、自分の思い通りに動いてくれない人について「自分のことを甘く見てバカにしている」と感じて怒りや威圧的な態度へとつながっていくのです。「自分を甘く見ると、こんな目に合わせるぞ」という感じです。
ハラスメントが起こっている時、それは承認欲求が過剰に働いている状態なのです。
現在急にテレワーク状態になっている上司の方々は、承認欲求を満たしてくれる部下がそばにいないので少々ストレスが増えているかもしれません。
 
また、見逃してはならないのが和を重んじる日本の文化の影響です。言葉には出さないけれどみんなが我慢していることを誰かがはじめにやったら、「みんな我慢してきたのに自分勝手な奴め!」と、攻撃対象になってしまいます。
パタハラ(男性が育児休暇を取った場合のパタニティハラスメント)がそのいい例です。
「人と違うことをしなければ悪評価されることもないので、会社内で新しい動きは起こさないほうが安全」という考え方が定着すると、その会社をさらに良くするために行動しようという気持ちも起こらなくなり、その会社の成長はストップするでしょう。
 
それでは、パワーハラスメントをしないためにはどうしたらいいでしょう。自分はパワハラなんてしないという方も一緒にお考えください。
ちなみに、どんなパワハラ加害者も本人はパワハラしているつもりはありませんので注意しましょう。
 
パワハラ防止のために、とてもいい方法があります。「コンパッション」です。最近メルマガでお伝えしたばかりの、あれです。
自分に厳しく評価していると、人にも厳しく評価します。自分を認め、応援する気持ちを持つと、人への思いやりが高まるのです。
「自分もみんなもやってきたのだから、あなたも当然やるでしょう」という気持ちはコンパッションの低い状態にいることを示しています。簡単な事ではありませんが、自分とその人の共通点や相違点に気づき、認めることで、思いやりの気持ちが高まります。
「その人のためを思って」と厳しいことを言う方も、相手の背景、受け止め方、言われた時の気持ちを自分に置き換えて一度考えるひと呼吸を持ちたいものですね。
 
 
 
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