2020.1.15配信
- 薬剤耐性菌での死亡数は、交通事故死を上回っている!?
日本での交通事故による死亡者は2018年で3532人でした。
では、抗菌薬が効かない細菌に感染して死亡した人の数はどのくらいだと思いますか?
厚労省が全国規模で調査したところ、2017年の推定死亡者数は8100人を超えていました。
ちなみにこの調査に含まれているのは、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)と、FQREC(フルオロキノロン耐性大腸菌)による菌血症での死亡者の合計です。菌血症とは、肺炎などをきっかけに血液中に細菌が入り全身に細菌が回る病気です。
抗菌薬が効かなくなる原因は、不適切な抗菌薬の使用です。
必要のない抗菌薬を頻繁に多くの人が服用すると、それに耐えられる強い菌が生まれていくのです。
風邪に抗菌薬は効きませんが、今でも多くの医者が風邪症状の患者さんに抗菌薬を数日分処方します。患者さんも、鼻水が黄色いから・・・受験を控えているので・・・家に高齢者がいるから・・・など様々な理由で抗菌薬を欲しがります。そして、処方された抗菌薬は症状が良くなったら飲むのをやめ、調子が悪い時に取っておいた抗菌薬を飲んだりします。
多くの人が何気にやっているこのような行動が、交通事故死亡者より多い数の耐性菌死亡者を作り出しているのです。
そして数十年後、その死亡者にはあなたが含まれる可能性は非常に高いと言えます。これ医者の死亡原因の多くが肺炎だからです。
ウイルスも恐ろしいですが、自分たちが作り出し老後の自分を脅かす薬剤耐性肺炎には十分に注意した方がいいでしょう。
ここまで言っても反論したくなる人のために、日本呼吸器学会のHPを抜粋してご紹介します。
かぜ症状群の原因微生物は、80~90%がウイルスと言われています。主な原因ウイルスとしては、ライノウイルス、コロナウイルスが多く、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスなどが続きます。ウイルス以外では、一般細菌、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミドフィラなど特殊な細菌も原因となります。
https://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=2
抗菌薬とは細菌を殺す薬なので、ウイルス感染症には全く効果がないのです。
マイコプラズマ肺炎や百日咳、扁桃炎などになっていない限り、抗菌薬は全くもって効きません。
マイコプラズマ肺炎や百日咳、扁桃炎などになっていない限り、抗菌薬は全くもって効きません。
- なぜ薬に依存するようになったのか
今の医師も患者さんも、一般的に過剰に薬を信じすぎています。
薬は確かに数々の病気を治し、人々を救っています。しかし一方で、製薬会社の開発・販売競争が激化したせいで、大して効果が目に見えない薬も大きな効果があるように宣伝することで人々の信頼を得ているという現状があります。
胃薬の1/4は飲んでも飲まなくても症状は変わらないという有名な研究結果があります。薬になっていないサプリやハーブの方がはるかに効果が出ていることもあります。
大きな研究で有意差を出して薬と認可させる経済的に優位な製薬会社が「よく効く薬」を販売できるという仕組みがあるのです。
現在発売されているアルツハイマー病の薬は、認知症を改善することはありませんが、進行が緩やかになるという事を上手にアピールすることで「飲まないとどんどん進行してしまう」という気持ちにさせられます。飲んでも進行すると知っているのに、家族や患者が少しでも良い状態であるようにと薬を使います。
私も認知症外来を担当するので認知症の薬を求められれば出しますし、否定するわけではありません。
しかしこれは一つの集団催眠効果ではないかと思います。第二次世界大戦ではユダヤ人の大虐殺を引き起こしたのも集団催眠です。周りのみんなが言うことはもっともらしく聞こえるので、みんなが使っている薬は飲まないとヤバいと思ってしまうのです。
1800年代、水道が整備され衛生状態が良くなったおかげで多くの人の命が失われずに済むようになりました。
1900年代前半は、ワクチンや抗菌薬など様々な医薬品が登場し寿命が飛躍的に延びました。後半は感染症の代わりに生活習慣病やがんが私たちの命を脅かすようになりました。
2000年代、医薬品開発はピークを過ぎて陰りを見せています。代わりに検査機器の開発が激化しています。
これからは、生活習慣病を薬で治す視点を変え、どうやって日々の行動を変えるかという行動科学の時代だと思います。集団心理を逆に利用して健康習慣に導く「社会的処方」にも注目が集まっています。その発展を待っていたら私たちはどんどん歳をとっていきます。
「健康のために今ここで起こせるアクションは何か?」
私たちはそれを伝える会社であり続けたいと思っています!
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