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2020.02.20 メルマガバックナンバー vol.27:健康づくりは未来への貢献

2019.7.31配信

こんにちは!山下あきこです。

突然ですが、「健康力」ってご存知ですか?

・・・って、書いておきながら実は辞書にはそのような言葉はありません。しかし、「女子力」のようになんとなく意味は通じると思います。
私なりに定義づけるとこうです。

「健康力とは、個人の健康づくりのための適切な情報を得て、実践し続ける能力」

この健康力を上げるための大切な要素に、(1)ヘルスリテラシーと(2)行動変容があります。
今日はこの2つの要素の基本的な知識をおさえていきたいと思います。

1.ヘルスリテラシー
 
NIHによると、「ヘルス・リテラシー(health literacy)とは、健康面での適切な意思決定に必要な、基本的健康情報やサービスを調べ、得、理解し、効果的に利用する個人的能力の程度を意味する」とされています。
つまり、健康の情報収集と活用に関する能力のことです。

日本人のヘルスリテラシーは世界の中でかなり低いと言われています。国際比較の研究によると、日本人はヘルスリテラシーが不十分または問題ありの割合が85.4%にものぼりました。一方EUは47.6%です。
ヘルスリテラシーが低いほど、医療への過剰な期待や依存度が増えることが分かっています。つまり、体に関する関心と自己管理能力が低いため、医療従事者に自分の管理を任せてしまうのです。国の医療費も自己負担も増えます。家事が苦手だから、家政婦さんを雇うようなものです。その結果、出費は増え、家事に不具合があると家政婦さんのせいにします。

自分の体の自己管理を放棄して「外部委託」し続けることは、出費や依存、批判のほかに、とてつもなく大きなデメリットがあります。それは、「根本的な原因が残ったままになる」ということです。根本的な原因とは、健康に良くない生活習慣です。典型的な例では、タバコを吸いながら肺がんを治そうとする、肥満はそのままで血糖だけ下げようとする、といったことが当てはまります。

先日、私は産業医になるため50時間の研修を受けてきました。その中で繰り返し教えられたのは、「まず、元から断つ!」という原則です。有毒な物質を使った作業で健康被害が出ている場合に、まず防毒マスクをつけて作業を続けるのではなく、優先すべきことは有毒なものを使わない工夫をすることなのです。
健康を増進するために、有害な生活習慣を健康な習慣に変えていくには、まず何が有害なのかを知ることが大前提です。血圧を下げる薬を飲む前に考えるべきは、どうしたら血圧が上がりにくい体になるかです。

正しい健康知識はどこから得られるのかを知ること、そして限られた時間のなかで膨大な情報の中から自分に必要な情報を得る工夫をすること、さらにそれをどのように活用するかも知っておくことが、健康力アップの鍵となります。

2.行動変容
実際に得られた知識を行動に移すことを行動変容と言います。1980年代に提唱された行動変容のステージモデルでは以下の5つのステップをたどると言われています。

・無関心期:6か月以内に行動を変えようを想っていない
・関心期:6か月以内に行動を変えようと思っている
・準備期:1ヶ月以内に行動を変えようと思っている
・実行期:行動を変えて6か月未満である
・維持期:行動を変えて6か月以上である

どこかで見たことがあると感じた方も多いのではないでしょうか。私は健診を受ける時、質問票の運動に関する項目で毎年見ています。健診でこの質問をするのは、保健指導に役立つからです。それぞれの時期によってサポートする方法が異なります。

行動変容については様々な研究やアプローチがありますが、最近注目されているのは、「社会的処方」です。個人の力ではなかなか変えられない場合でも、環境が変われば自然と行動が変わるという考え方です。これは上記のステージモデルのどの時期にも有効です。
例えば、会社から喫煙所がなくなれば勤務時間は長い休憩時間や外回りなどがなければ喫煙できないので喫煙本数が減ります。エスカレータを使いがちな人も、階段しかなければ階段を使います。

他にも周りの人の行動が、無意識のうちに影響を与える場合もあります。ハーバード大学のニコラス・クリタキスの論文では、ある人が肥満だった場合50%の確率でその友達は肥満になるという結果が出ています。さらに友達の友達は肥満の人と直接知り合いでなくても20%の確率で肥満になるのです。同じような行動をとり、同じような食べ物を好む人が自然と集まり繋がっていることを示しています。逆に、健康行動を維持できている人が増えると、それも伝染し広がっていくことにつながるのです。

以上、2つの健康力を上げる要因についてご紹介しましたが、ヘルスリテラシーが上がれば、行動変容も進むということがご理解いただけたでしょうか?

一人ひとりの健康習慣が、社会の健康寿命を延ばすことにつながるということです。

健康づくりは自分のためだけでなく、今と未来の人々への貢献にもなるんですね!

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