vol.26:マインドフルネスと食行動 | 株式会社マインドフルヘルス
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2020.02.13 メルマガバックナンバー vol.26:マインドフルネスと食行動

2019.7.17配信

こんにちは!山下あきこです。

7月7日から12日までの6日間、アメリカマサチューセッツ州で「マインドフルネスに基づいた食事の認知療法(MB-EAT)」を詳しく学んできました!今回はそのMB-EATについてご紹介します。

注目が集まるマインドフルネス・ダイエット

昨年私は「やせる呼吸」(二見書房)という本の中で、マインドフルネスを用いて食事を楽しみながら体重をコントロールする方法をご紹介しました。
同じ時期から、マインドフルネスを用いたダイエットは様々なメディアで取り上げられるようになり、当社はこれまで以下のようなメディア監修を担当しました。

・ウェブサイト「リンククロス」
・ウェブサイト「WOMe」
・ウェブサイト「グリコ Bifix」
・テレビ「世界一受けたい授業」日本テレビ(2018年11月10日放送)
・ラジオ「よなおし堂」RKB(2019年1月15日)
・雑誌「anan」(2019年2月6日号)
・雑誌「サンキュ!」(2019年6月号)
・雑誌「女性自身」(2019年6月20日号)

マインドフルネス・ダイエットのルーツは?

日本では、マインドフルネスという言葉をここ数年でよく耳にするようになりました。禅の教えをもとに、1970年代にアメリカでジョン・カバットジン博士によって形態化された手法として認識されています。
日本では1960年代前半から瞑想が脳波に及ぼす影響を京都大学で研究されて、注意力を高めて過剰反応を抑えることが示されていました。Kasamatsu, Hirai. 1966 An electroencephalographic study on the zen meditation (Zazen). Folia Psychiatr Neurol Jpn. ;20(4):315-36.

実は、1974年から日本に留学して京都大学でマインドフルネスについて研究し、その後ジョン・カバットジン博士と共にマインドフルネスと肥満や健康行動について長年研究を続けているアメリカ人の女性博士がいます。インディアナ大学の名誉教授ジーン・クリステラー博士です。
MB-EATはそのクリステラー博士が開発したもので、40年以上の研究の集大成とも言える内容となっています。

MB-EATの有効性は?

MB-EATは、Mindfulness Based Eating Awareness Traningの略で、日本語にすると「マインドフルネスに基づいた食事の認知療法」になります。米国衛生研究所(NIH)のサポートを受けた2つの大規模研究によってその効果が実証されています。複数の研究でわかったことは、これまでの認知行動療法や運動療法だけよりも、瞑想を日々実践している人の方が体重や血糖値改善に効果を示しているということです。

1.過食症に関する研究
150人の過食症患者に9週間のプログラムを提供。過食行動をした日が4分の1以下になり、大量に食べる人の数が半分になった。
NIH Trial (R21): Mindfulness-Based Eating Awareness Training (MB-EAT)Co-PI: Ruth Q. Wolever, Ph.D.

2.体重減少に関する研究
114人の肥満患者に12週間のプログラムを提供。体重、HbA1c、過食の頻度と程度が減少していた。
NIH-NCCAM RCT(R01): MB-EAT  for Weight Loss

3.糖尿病や子供も含めた肥満患者の研究
194人の肥満患者に16週間のプログラムを提供。子供、母親、妊娠女性、糖尿病患者なども含む。1年後、体重、HbA1c、中性脂肪が減少していた。
SHINE Study (NIH-funded)UC-San FranciscoPI: Rick Hecht, M.D.,  Co-PI: Elissa Epel, Ph.D., Co-I: Jean Kristeller, Ph.D.

MB-EATのプログラム内容は?

6つの領域でゴールを目指します。
 1.認知:食べ物に対する思い込みや気持ちに気づく
 2.身体:空腹感や満足したい気持ちへの過剰反応を抑える
 3.感情:抑うつや不安を抑え、食事の楽しみを増加させる
 4.行動:過食行動を減らす
 5.自分や他者との関係:自己受容や許す気持ちを高める
 6.精神性:自分自身の智慧を養って、目的意識を高める

内容
 ・マインドフルネス瞑想
 ・食べる経験に関する瞑想(空腹感、満腹感、味の満足、食べる引き金)
 ・食べ物を使った瞑想(レーズン、チョコレート、チーズクラッカー、持ち寄りパーティやバイキング)
 ・日々の食事で行うミニ瞑想
 ・自己受容や許しの瞑想
 ・瞑想や食べる瞑想のホームワーク

1回当たり2時間半のレクチャーとワークショップを週1回のペースで10回継続し、1ヶ月後と約半年後にフォローアップをします。

最後に

このプログラムでは栄養や運動に関する簡単な知識も提供しますが、ほとんどが食べる行動に関するワークショップと瞑想で成り立っています。
これを受けた人々の感想も聞きましたが、体重が軽くなっただけでなく、落ち込みやイライラや不安といった精神的な問題が軽くなり、とても幸せそうにされていました。
我慢することはこのプログラムでは逆効果であり、制限したり食事を良いもの・悪いものに分けたりはしません。
自分を労わって大切にすることが最も大切だと考えるこのプログラムは、これまでの常識をひっくり返し多くの人に幸せと健康を与えるものだと確信しました。

内容の一部を、ランチ会やzoomを使ったセミナーなどでご紹介することを考えています。その際はぜひ、体験してみてくださいね!

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