2019.5.8配信
こんにちは!山下あきこです。
前回のメルマガではストレスレベルをチェックしてもらいました。
ストレスをためないための習慣5つをおさらいしましょう。
1.木々や水などの自然に触れる
2.朝早い時間の太陽光を浴びる
3.リズム運動を取り入れる(ウォーキング、呼吸法、トランポリンなど)
4.夕方以降のブルーライトを避ける
5.早寝早起きを習慣化する
それぞれの項目について具体的に解説する前に、大切なことをお伝えしなくてはいけません。
それは、習慣化についてです。
ストレス対策や健康な体づくりでは、問題があると感じても、どうすればよいか分からなければ解決できません。こうすればよいと分かっていても、行動に移せなければ意味がありません。行動に移せても、続けることができなければ効果が現れません。
また、続けるとひとくちに言っても、継続する時間によって大きな違いがあります。
3日、1週間、1ヶ月、3ヶ月、1年、3年、5年・・・
長く続けるほど効果は確実なものになります。そして、努力の必要がなくなります。それが当たり前になるからです。
当たり前の生活によって快適な心と体が作られていくというのが理想的な健康生活ですね。
一旦その快適生活を味わうと、元の生活に戻ろうとは思わなくなります。
これが、「習慣化」のなせる技なのです。
では、それをしないと気持ちが悪いくらいの「習慣化」はどのくらいの期間でできあがるのでしょうか。
本やウェブサイトでは「21日間続けると習慣になる」という言葉をよく目にしますが、これを明確に証明した論文は見当たりませんでした。
ロンドン大学Phillippa Lally博士らの論文には、一つの習慣が身につく期間は平均66日だと書いてあります。*1
論文によると、毎朝1杯の水を飲むというような簡単な習慣は18日、腹筋運動を50回するというような運動を習慣化するには245日かかります。習慣にしたい行動が何かによって、その期間に開きはありますが、繰り返しの行動が習慣化・無意識化するという事は明らかになっています。
習慣作りの第1のステップ
まず、1回目の行動を始めることです。
え?当たり前?
実はこのはじめの行動を起こすか否かで人生が大きく変わるのです。
・いつかは早起き生活をしよう
・いつかは毎朝ジョギングをしよう
・いつかはお酒をやめようetc・・・
この先延ばしの言葉「いつか」を「今」に変えるだけで第1のステップを踏み出したことになります。
では、今できるステップは何でしょうか?
「早起き」を例に考えてみましょう。明日の朝ではなく、「今」できる行動が何かあるはずです。
例えばこんなことです。
・家族や友人に宣言する
・アラームをセットする
・決意を忘れないようにカレンダーに書き込む
とても簡単ですよね。
しかし、この簡単な行動がやる気のスイッチをONにします。やる気を出す脳ホルモンはドパミンです。
ドパミンは求める何かを得た時に分泌されます。そしてゲットしたり成功したときに快楽を感じさせます。ゲットするものや成功体験は小さくても構いません。カレンダーに起きる時間を書き込み「よーし、明日は5時に起きるぞ!」と決意し、5時に起きられた自分をイメージして嬉しくなったとき、すでに少しのドパミンが放出されます。(想像しただけでもドパミンが出るのです!)
もちろん本当に5時起床に成功できたら、さらにドパミンが放出されて達成感という快楽を味わうことができます。
習慣作りの第2のステップ
しかし、毎日6時半に起きている人がいきなり5時に起きるぞと決意して、翌日から毎日5時に起きる習慣が身につく人はまれです。
脳は、大きな変化が嫌いだからです。
そこで習慣化したいことがあったら、ハードルを思いっきり下げて簡単な目標設定から始めることが重要なポイントになります。
せっかく第1のステップを踏み出したのに、はじめから失敗してはドパミンが放出されず、また頑張ろうという気持ちが起こらなくなります。毎日6時半に起きているけど5時に起きたいと思う人なら、6時20分や25分といった、楽に達成できると思われるレベルからチャレンジしましょう。1回でも達成できたら思いっきり喜んで自分を褒めてあげましょう。
そして、少なくとも1ヶ月は地道に続けることです。1ヵ月続けることを周りに宣言し、達成したと報告できるように記録しておくとモチベーションが上がります。記録を目にするたびに、今日もやったぞ!とドパミンが放出されます。
記録が苦にならないよう、アプリなどをうまく活用して楽しく続ける工夫をするといいですね。
楽しい!という感覚もまたドパミンを放出させるのです。
ドパミンは依存症を引き起こす一方、良い習慣を続けたりやる気を起こしたりするのにとても重要なホルモンです。
脳ホルモンは使い方次第、自分の脳やホルモンに振り回されずに、上手に活用できるように、脳ホルモンの分泌のコツを知って習慣化を成功させましょう。
*1European Journal of Social Psychology Phillippa Lally How are habits formed : Modelling habit formation in the real world 16 July 2006