2019.3.22配信
こんにちは!山下あきこです。
みなさんはダイエットをしたことがありますか?もしあるとしたら、どんな方法でダイエットしましたか?
りんごダイエット、朝バナナ、ジョギングする、糖質制限、一食をダイエットフードに置き換えるなどでしょうか。
ダイエットしては失敗する人が後を絶ちませんが、昔も今も人気があるのはシンプルでわかりやすいダイエット法です。
・〜を食べるだけ
・〜をやめるだけ
・~の運動をするだけ
これらの方法は、確かに短期間集中型で結果を出すには向いているかもしれません。しかし結果がでた後に待っているのはリバウンドです。短期間で痩せて、その後体重が戻ったのではダイエット成功とは言えません。
体重を減らした後それを維持してこそ健康のベネフィットが得られ、人生に良い影響をもたらします。
今日お伝えしたいのは、ダイエットをはじめ健康的な体づくりには多面アプローチが最も有効であるということです。
最近数々の論文で、健康づくりには1つの方法よりいくつを組み合わせた方法が効果的という結果が出ています。
一つ目の論文をご紹介します。
「各種ダイエット法の減量効果はどれも大差なし」
カナダ・トロント大学は、11種のダイエット法による減量効果を検証しました。低炭水化物や低脂肪食はいずれも1年程度の効果は良好でしたが、その後元に戻っていました。しかし、行動支援や運動を組み合わせた場合はその効果を維持できていました。
ダイエット法の違いは大きな問題ではなく、その人が最も実行しやすく、長期に継続できる方法を選ぶことが重要だと結論づけられていました。Lagerqvist B, et al. JAMA. 2014; 312: 923-933.
二つ目はこの論文です。
「多面的な生活習慣改善指導で2型糖尿病の合併症を予防」
薬剤治療と合わせて、食事療法や運動療法、禁煙指導を行った群と、従来の薬剤治療のみの群で比較したところ、多面的な生活改善を行ったグループは糖尿病の合併症である心臓疾患や脳梗塞の発症がもう一方の群より8年遅かった。Oluf P,et al. Diabetologia.Sept. 1, 2016,
さらに認知症でも・・・。
「多面的な介入、認知機能改善や維持に有効」
2年間の多面的介入(食事、運動、認知訓練、血管リスクモニタリング)を行う群と一般的な健康アドバイスのみを行った群で、認知機能検査を前後で比較したところ、多面的に介入したグループはそうでないグループに比べて認知機能が改善あるいは維持できているという結果が得られた。Ngandu T, et al. Lancet (London, England). 2015 Jun 06;385(9984);2255-63.
人間の体の仕組みは、一つの方法で大きく変わるほど単純ではないということです。
例えば、糖質制限してたんぱく質を増やしても、ビタミンやミネラル、水分を適切に摂取しなくてはうまく代謝しません。しかも食べる時間によって臓器がどのようにどの程度吸収するかも大きく変わります。食べる時間に加えて、空腹時間や睡眠時間もホルモン分泌に栄養するので、睡眠サイクルも影響します。
運動の量や種類、タイミングでも栄養素の取り込まれ方やエネルギーの使われ方が変化しますし、ストレスや過労もホルモンや自律神経を変化させるので代謝を変化させます。
食べる種類の数や添加物や農薬、有害金属の影響もあります。
要するに、いろんな方面から総合的にアプローチすることが必要なのです。
もし、これだけやれば大丈夫と思って一つの方法に頼って、他の大切なことがおろそかになっているとしたら、それは不健康に向かっているかもしれません。例えば、「糖質制限をして運動しない」「毎日ジョギングして、食事はファストフード」「サプリで栄養をとっているので、食事には気を使わない」などがそれにあたります。
それほど体調が悪くなくても、総合的に体を整える意識のない人は病気のリスクが大きい人です。
残念なことに、「生活習慣を総合的に整えることは大変」、「私には無理」、「太く短く好きなことして生きるからいい」という言葉をよく聞きますが、このメルマガを読んでいる皆さんには、「将来のあなたの体のために今できることがある」ことを知って欲しいと思います。
今、世界的に肥満の人が増えています。そして、生活習慣病の増加の大きな原因になっています。
体重をどうやってコントロールするかという問題は、見た目の美しさやかっこよさだけの問題ではありません。
肥満がもたらす病気には、糖尿病、高血圧、脂質異常、そして認知症があります。それらが自分で歩けない、食べられない、介護してもらわないと生きていけないということにつながるのです。
人生を最後まで自分らしく生きるために、あなたは今日何を食べてどんな風に過ごしますか?