vol.14:腸内細菌の多様性 | 株式会社マインドフルヘルス
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2019.11.21 メルマガバックナンバー vol.14:腸内細菌の多様性

2019.1.23配信

こんにちは!山下あきこです。

今回は腸内細菌についてです。

タンザニアのハッザ族をご存知ですか?
農耕が始まる1万年前より昔の人類が行っていた狩猟採集の生活を今も続ける部族です。

家畜は飼わず、木の実などを採集し動物を狩りして食事を作るので、季節によって食べるものは変わります。眠たくなったら眠り、食べたくなったら食べる。時間で行動するわけではありません。季節に合わせ、体の声に従う生き方は、仕事や時間に合わせて生きる今の私たちとは真逆にあります。
このハッザ族は、当然ながら生活習慣病にかかりません。(ただし、感染症や過酷な自然環境のため他の疾患にかかって命を落とすことはありますし、狩猟での事故や怪我もあります。)
あるとき、ハッザ族の腸内細菌の調査が行われました。腸内細菌は 、種類や有益な菌数が多いほど活性化します。
調査の結果、先進国の人々に比べて細菌の種類が圧倒的に多かったそうです。そして季節によって腸内細菌の種類は変化していました。

ロンドン大学の研究者がハッザ族の村で3日間過ごし、自身の便を調べたところ、腸内細菌の多様性が20%も増えたという報告もあります。しかしながら、その3日後には腸内細菌は元通りになったとも報告しています。

先進国では人々の腸内細菌の種類と数が減ってバランスが乱れやすくなっていることが現在話題になっています。

特に注目されているのはリーキーガット症候群という病気です。
これは腸の粘膜細胞の新陳代謝がうまくいかず、細胞の連結部分が緩んでしまうため、吸収すべき栄養素が十分にれれず、体には不要な毒素や病原体が入ってきてしまう状態です。毒素が身体に侵入して血液に入ると、全身を巡りアレルギーや慢性疲労などの症状を引き起こします。
このリーキーガット症候群の原因として発見されたタンパク質が「ゾヌリン」です。ゾヌリンの分泌が多いと腸の細胞の連結が緩んでしまうのです。
このゾヌリンは小麦製品に多く含まれるグルテンの摂取によって多く分泌されることがわかっています。
そのほかにも、腸内細菌の多様性と数が少ないこともゾヌリンを増やす原因です。

ハッザ族尾の研究から言えるのは、自然に根差した生活や食事を断続的に取り入れることが、腸内細菌の正常化につながるということです。アメリカのアーミッシュの人たちも、自分たちが育てたものを食べ、調理して自然と共に暮らしていますが、彼らはアレルギーになる人が少ないことで有名です。

文明から離れて暮らすことは難しいかもしれませんが、できる範囲で自然と共にある暮らしを心がけ、体のバランスを整える工夫を少しずつ取り入れてみたいものですね。

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