ビタミンDを服用した小中学生
インフルエンザの発症率はどのくらい低下した?
1、 変わらない
2、 20%減った
3、 40%減った
答えは3!
ビタミンDを4ヶ月間服用した小中学生は、インフルエンザにかかる確率が半分近くになっていました。
東京慈恵会医科大学の研究チームは、インフルエンザの流行期の4ヶ月間小・中学生334人に対して、2つのグループに分けて一方にビタミンDサプリメントを飲ませ、もう一方に偽薬を飲ませました。
するとインフルエンザに感染した子はビタミンD群が18人(10.8%)、プラセボ群が31人(18.6%)で、ビタミンDは感染を42%抑える効果が認められました。
ロンドン大学クイーン・メアリーの研究チームは、鼻づまりからかぜ、肺炎に至る幅広い疾患を含む呼吸器感染症を対象に調査し、ビタミンDサプリを摂取することで、33の症例のうち1回は感染が防げたことが分かった。これはインフルエンザの予防接種よりも効果的という統計結果になっています。
また、サプリの効果は、毎日もしくは毎週摂取した方が、1カ月に一度大量に摂取するよりも高くなっていました。また、もともとビタミンD不足の人の方が効果があります。
イングランド公衆衛生サービスでは、秋から冬にかけてビタミンDサプリを摂取するよう推奨しています。また、介護施設に入っていたり、日光を避ける服装などをしている人は、1年中摂取することが望ましいとしています。
ロンドン大学の研究チームは最終的には、ビタミンDの食品添加を目指しています。すでに米国では、牛乳にビタミンDが添加されています。
日本抗加齢医学会の医学雑誌アンチエイジング医学2020 vol.16 N0.3の中で満尾正医師は、初診患者でビタミンDの血中濃度が不足している人の割合が80%程度であると述べています。乳幼児のくる病患者が10年間で2.5倍に増えており、母体の低ビタミンD血症が影響している可能性があるとも言われています。
以上のことから、日本人のビタミンDは不足している人が多いと考えられます。
ビタミンDとは
コレステロール由来のホルモンです。コレステロールからできたプロビタミンDto紫外線が表皮で反応すると、プレビタミンDになります。さらにその後、体温によって変化してビタミンDが作られます。
ビタミンDの細胞内受容体は、脳、前立腺、乳腺、大腸など、全身の臓器にあります。そこで、細胞を増やしたり不要になった細胞を取り除いたり、血管を作ったり、カルシウムを吸収したりと、さまざまな働きをしています。
ビタミンDは、骨の強化、心臓血管疾患予防、がん予防、認知機能の維持、うつ病予防、糖尿病予防、筋力低下予防などの効果もあります。
2006年以降、ビタミンDを投与すると抗菌ペプチドの一種が作られること、炎症性サイトカインIL=12を低下させ、IL-10を増加させることなどがわかっており、ビタミンDには抗菌作用と、抗炎症作用の両方があると考えられています。
ビタミンDを摂る方法
1、日光浴
2、食事
3、サプリメント
1、日光浴
11月から4月にかけては1年で最もビタミンDの血中濃度が低下する時期です。秋冬は積極的に摂った方が良いでしょう。しかし真夏でも十分ではありません。沖縄でも両手両足露出して、8分間炎天下にいないと1日に十分な量のビタミンDは合成できません。関東では同じ状態で22分程度必要です。日焼け止めを塗らず、日陰にも入らず、毎日そのような状況で十分な時間日光にさらされている人はそんなに多くないように思います。
さらに高齢になると皮膚でのビタミンD合成脳が低下します。70代では20代の25%程度になるそうです。
2、食事
キノコ類には、ビタミンD2が、魚類には、ビタミンD3が含まれます。
日光浴で人体に作られるのはビタミンD3であり、D3はD2の4倍程度の生理活性があります。魚は効率的にビタミンDが摂取できる食材です。
3、サプリメント
1日に必要な量は、ビタミンD3として1000〜2000IUです。1日1000IUを摂取していても血中濃度が十分に上がらない場合もあります。
1日50,000IU以上を毎日とることで、高カルシウム血症や低リン血症を来すこともありますが、摂りすぎに関するリスクはごくわずかです。
ビタミンD3を1日10,000IU、5ヶ月間摂り続けても副作用がなかったという研究があります。
魚を毎日食べることができない場合は、サプリの活用もおすすめです。
μgからIUへ換算する時は、μg×40、IUからμgへ換算する時はIU×0.025で計算することができます。
1000IU−2000IUを換算すると、25μgー50 μgです。
私がお勧めする「ヘルシーパス」のサプリは、1カプセルに25μgの十分なビタミンDが入っています。
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