体重が減るのはどちらでしょう?
1、果物をそのまま食べる
2、果汁100%ジュースを飲む
答えは1です!
米国バージニアメイソン医療センターの研究によると、
果物を1日1回食べると、3年間で0.45kgの減量が期待できるそうです。
果汁100%ジュースを1日1杯飲むと、3年間で体重が0.18kg増加するという結果でした。
これは、野菜でも同様の結果が予測されます。
健康そうな果物ジュースや野菜ジュースも、飲み続けることで肥満につながることを知っておきましょう。
果物や野菜は、丸ごと食べることが大切です。
ジュースに加工すると、食物繊維が取り除かれ、糖質だけを摂る事になります。
また、果汁に含まれる果糖は、肝臓で中性脂肪になります。
果糖をジュースとして飲むことで体に一度に流し込まれるので、速いスピードで吸収されて肝臓に行きます。
さらに、血糖値を急速に上げてインスリンを過剰に分泌させます。
これを続けることで、内臓の脂肪が増え、血糖が高い状態を作り出すのです。
その結果、血管の内部が傷つき、心筋梗塞や脳梗塞などの原因になります。
体重が増えるだけではなく、将来の健康に大きく影響するのです。
では、なぜ果物をそのまま食べると痩せるのでしょうか?
理由は、食物繊維が豊富なところにあります。
食物繊維と一緒に摂ると、果糖の吸収がおだやかになり、脂肪の蓄積や血糖値の上昇が抑えられるのです。
また、食物繊維は腸内の善玉菌を増やし、腸の壁の働きを正常に保ってくれます。腸の働きが良くなると、やせ菌が増え、幸せホルモンのセロトニンが増え、有害物質や老廃物の排泄がスムーズになるなど、数々のいいことがあります。
野菜も果物も、ジュースで簡単に栄養がとれるものではありません。
形を見て、香りをかいで、じっくり噛んで味わうことで、体に負担をかけずに栄養を吸収することができるのです。
食事は栄養とるためだけのものではなく、味を楽しむだけのものでもありません。
食べることそのものが、生きている証であり、喜びです。
食事をもっと楽しみ、喜びを感じる時間にしましょう!
内科・産業医 山下あきこ