日本のがん患者は、
1975年は約20万人でした。
2014年は約何人になったでしょう?
1、17万人
2、37万人
3、87万人
答えは、3の約87万人!
1975年と比較すると、がん患者が4倍以上に増えているのです。
2014年のがん患者のうち1/3の方は、20歳から64歳の、働ける年齢です。
現在、がんを治療しながら働いている方が多くいらっしゃいます。
皆さんの職場にもいらっしゃるかもしれません。
そしてあなた自身もいつがんになるか分かりません。
日本の総人口は緩やかに増えていますが、生産年齢人口は減り続けています。
1996年から2016年の20年で総人口は537万人増加し、生産年齢人口は650万人減少しました。
働き手はどんどん減っているのです。
その中で、がん患者が増えているということは、本人にとってはもちろん社会にとって大きな問題です。
がんになると、体調不良に加えて、命を脅かす病気を抱えることによる精神的ストレスがかかります。さらに、治療費が高額になることが多く経済的にも負担がかかります。
通院や入院のために会社を休むことが増え、仕事を継続できるかどうかの不安も出てきます。
この様な現状の中で、今求められているのは、がんになった方が仕事を辞めないで済む様な、会社の配慮や社会環境づくりです。
病気を持ちながらも、働く意欲・能力のある労働者が、適切な治療を受けながら生き生きと働き続けられる社会を目指す取り組みを、両立支援といいます。
もしご自身や身近な方ががんになったら、職場、産業医、主治医などに相談をして、一人で抱え込まない様にしましょう。会社で社員の健康管理に関わる方は、健康についてや働き方についての相談窓口を日頃から社員の方に伝えておくことをお勧めします。
そして、定期的な健康診断や人間ドックで早期発見できる様に心がけましょう!
産業医 山下あきこ