vol.30:睡眠障害のいろいろ | 株式会社マインドフルヘルス
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2020.03.12 メルマガバックナンバー vol.30:睡眠障害のいろいろ

2019.9.11配信

こんにちは!山下あきこです。

近年睡眠の重要性が注目されています。雑誌の特集やテレビでもよく取り上げられる様になりました。少し前まで睡眠はただの休息と思われていましたが、今では睡眠不足が心と体に大きな影響をもたらすことが明らかになったからです。

ところで、睡眠をとることが大切と分かっても眠れなくて困っているひとがたくさんいますよね。眠れないといえば、寝付きが悪い、途中で目がさめるなどの不眠症を思い浮かべると思います。寝ると呼吸が浅くなって深い眠りが取れない睡眠時無呼吸症も割と有名です。

しかし、他にも眠れない病気がいくつもあります。
今回は、意外と頻度が多いけれどあまり知られていない睡眠障害をご紹介します。


1.レム睡眠行動異常症(REM sleep behavior disorder;RBD)
 夢遊病のような行動を起こす疾患です。
本人は夢を見ているのですが、夢の中で動いているのと同じように声が出たり手足が動いたりします。ですから、本人は眠っているつもりでも他人から見ると夜間に異常な行動をとっている様に見えるのです。軽度なら寝言をはっきり言ったり少し手足が動いたりする程度ですが、重度になると、叫ぶ、殴る、蹴るなどの行動で隣に寝ているパートナーに怪我を負わせてしまうこともあります。
1986年に報告された、比較的新しい概念で200人に1人程度に見られるという報告があります。男性に多く(90%以上)、通常50歳以上で発症します。レビー小体型認知症ではこの症状がほとんどの方に見られます。
治療は、特効薬はありませんが少量の抗てんかん薬や睡眠導入剤などが有効なことがあります。

2.むずむず脚症候群(Restless legs syndrome;RLS)
 脚をしばらくじっとしていると、膝から下を中心にムズムズする様な不快感が現れるという疾患です。
「虫が這うような」「引っ張られる様な」「焼ける様な」などと表現されます。脚を動かしたり歩いたりすると症状が軽くなるのですが、動きを止めるとすぐに症状が出ます。真夜中から明け方にかけてピークとなるのでなかなか眠れず、不眠による抑うつや頭痛などの二次的な症状を出す人も少なくありません。
17世紀頃から知られていて、年齢が上がるとともに有病率は増え、有病率は5~15%にものぼります。妊娠、透析、鉄欠乏性貧血が原因で起こることが多く、抗うつ薬で悪化することもあります。
治療はまず鉄欠乏の検査を行って異常があれば鉄剤を投与します。抗パーキンソン病薬が保険適応となっており、少量の投与で効果がみられます。


RBDもRLSも、高齢者に多い病気です。百寿社会を生きる私たちにとって決して他人事ではありません。こんな病気があると知っていれば、眠れないとただ我慢せずに早めに医療機関に助けを求めることができます。
また、ご家族に上記の様な症状が見られたら早めの受診をお勧めします。受診する科目は神経内科です。

 

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