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人はどのようなときに満腹を感じるのか?満腹感がないのはどうして?

「カロリーを摂ってるのに満腹感がない」「つい食べすぎてしまう」など、食欲をコントロールできずに悩んでいる人が多いのではないでしょうか?

実は、脳や身体に「満腹」と感じさせるためにはコツがあります。満腹になれば食欲がおさまるので、ダイエットやボディメイクを成功させやすくなるのです。

そこで当記事では、医師の山下あきこが「満腹感」について解説します。

目次

身体が「満腹」と感じるのはどんなとき?

みなさんは、どのようなときに「満腹」と感じますか?山盛りのサラダを食べたときやスナック菓子を食べたときなど……食事したときの記憶を思い返してみてください。

食べたものの「重さ」が満腹感につながる

身体が「満腹」と感じるのは、胃が食べたものの「重さ」を感じたときです。

①山盛りのサラダ
②ハイカロリーなスナック菓子
③ずっしりと重い大福

上記3つの食べ物をイメージしてみてください。

葉野菜が中心のサラダなら、それほど「重さ」がありません。視覚的に「量」がある山盛りサラダを食べたらお腹いっぱいになりますが、主食やメインディッシュが食べられないほど満腹になることはないですよね。

ハイカロリーなスナック菓子は、軽いのでいくらでもお腹に入ってしまいます。満腹感がないのについつい食べすぎて、気づいたら信じられないほど高カロリーを摂取してしまうこともあるでしょう。

では、ずっしりと重い大福を「サラダ」「スナック菓子」と同量だけ食べられるでしょうか?大福を食べると胃に「重さ」を感じるので、1〜2個だけでも満腹になってしまうはずです。

同じ「重さ」なら「量」が多く見える方が満腹になる

いちごのスムージーによる満腹感の研究例を紹介します。

ランチ前の大学生を半数に分け、2種類のいちごスムージーを飲んでもらう実験です。2種類のいちごスムージーは同量ですが、一方は長く撹拌することで空気を多く混ぜ込み、量が多く見えるようにしました。

▼実験に使った2種類のスムージー

①グラス半分のスムージー
②空気を含んだグラスにいっぱいのスムージー

この実験の結果、「②グラスにいっぱいのスムージー」を飲んだグループは満腹感を強く訴えたそうです。そして「①グラス半分のスムージー」を飲んだグループよりも、その後に食べたランチの量が12%も減っていました。

このいちごスムージーの研究によって分かるのは、身体が「いつもより多く食べた」と思うと満腹感を得るということ。物理的な「重さ」が同じなら、視覚的な「量」が満腹感に影響することが考えられるでしょう。

身体はカロリー計算できない

私たちの身体は、カロリーで満腹感を感じられません。

食べた「重さ」で胃が満腹に感じたり、食べた「量」で脳が満腹だと判断したりするのです。

スナック菓子や脂身の多い焼肉のように、ハイカロリーなものでも軽く少量ならいくらでも食べられてしまいます。カロリーを摂りすぎると脂肪が増え、肥満や生活習慣病のリスクを高めてしまうのです。

満腹感をコントロールしてダイエットを成功させる方法

ダイエットを成功させるためには、満腹感を上手くコントロールすることが大切です。脳や身体が「満腹」だと感じれば、余計に食べすぎてしまうことは少なくなります。

食事中の水と空気を増やす

適正体重をオーバーしている人は、食事中の「水」「空気」を増やしましょう

水分を増やすことで物理的な「重さ」が増し、満腹感を感じやすくなります。スープや鍋料理など、温かい汁物を追加するのも満腹感を感じるために効果的です。

空気をたっぷり含んだ手作りスムージーを食事に追加すれば、栄養たっぷりで満腹感も感じやすくなります。卵料理も撹拌によって空気が混ざり、ふわふわにボリュームアップするのでおすすめです。

食べる量を決めておく

食事をするときは小皿に盛って、量を決めて食べるようにしましょう

大皿に盛られた料理を少しずつつまんで食べていると、どれくらい食べたのか分からなくなってしまいます。また、大皿料理は食べ終えるタイミングも見失ってしまいがちです。

おやつに関しても、ちょこちょこつまみ食いを繰り返していると、どれくらい食べたのか分からなくなります。脳が「量を食べた」と認識できないと満腹を感じられず、食べすぎの原因になってしまうのです。

食べ過ぎをやめたいなら、はじめから定量を決めておくとコントロールしやすくなります。家族と食べるときもできるだけ小皿に分けて、1人分の量を決めておくとよいでしょう。

満腹感がないときは「重さ」「量」を意識しよう

満腹感は、胃の「重さ」と見た目の「量」で判断されています。

身体はカロリー計算できないので、ハイカロリーのものでも軽くて少量なら食べすぎてしまいがちです。カロリー過多になると脂肪が蓄積されるため、食べすぎによって肥満や生活習慣病のリスクを高めてしまいます。

「満腹感がない」「小食なのに太る」と感じている人は、食べるものの「重さ」と視覚的な「量」を意識してみてください。満腹になれば食欲をコントロールしやすくなり、食べすぎやカロリー過多を防いでダイエット成功に近づけるはずです。

この記事を書いた人 医師 山下あきこ

1974年、佐賀県生まれ。二児の母。内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医、医学博士。アメリカ神経学会会員でもある。1999年…

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