亜鉛不足によって起こる症状とは?亜鉛が豊富な食材ってどんなもの?
「抜け毛が増えた」「味覚が鈍くなった」など、体調に変化を感じていませんか?
現代の日本人は、亜鉛不足になりやすい傾向にあります。疲れやすかったり、口内炎ができやすくなったりする場合も、亜鉛不足になっているかもしれません。
亜鉛不足はさまざまな症状を引き起こすだけでなく、将来の健康寿命を失う可能性もあるので注意が必要です。当記事では「亜鉛不足によって起こる症状」や「亜鉛が多く含まれる食材」について解説していきます。
目次
亜鉛不足になるとどうなる?
亜鉛不足になると、原因不明の食欲不振や筋力の低下、しびれなどさまざまな症状が起こります。治療しようとしてもなかなか改善しない場合は、亜鉛不足に陥っているかもしれません。
亜鉛とは?
亜鉛は、私たちが健康を保つために必要な栄養素です。全身の細胞内に存在し、さまざまな生理機能に重要な役割を果たしています。
▼亜鉛の生理的役割 ・タンパク質の合成 ・ホルモンの合成 ・インスリンの合成 ・コラーゲンの生成 ・その他 |
亜鉛は傷の治癒や適正な味覚・嗅覚を保つためにも重要です。さらに、細菌やウイルスを防御する「免疫システム」を正常に働かせるためにも役立ちます。
亜鉛不足によって起こる症状
亜鉛欠乏症になると、私たちの身体にはさまざまな症状が現れます。
▼亜鉛欠乏症の症状 ・筋力低下 ・味覚異常 ・抜け毛 ・免疫力低下 ・貧血 ・血糖の上昇 ・食欲不振 ・しびれ ・認知機能低下 ・下痢 ・口内炎 ・皮膚炎す ・発達障害 |
筋力の低下は「要介護」状態の一歩手前である「フレイル」になる原因の1つです。「フレイル」を予防して健康寿命を伸ばすために、亜鉛摂取は欠かせません。
また、亜鉛欠乏症の代表的な症状が「味覚異常」「口内炎」です。亜鉛が不足していると、新型コロナウイルス感染症による味覚障害の回復鈍化にもつながります。
免疫力の低下や血糖値の上昇、皮膚炎や食欲不振なども亜鉛不足による症状です。タンパク質合成とホルモン合成に関係するため、発達障害を引き起こすことも分かっています。
日本人は亜鉛不足の人が増加中?
現代の日本人の食生活は、肉や魚などの亜鉛が豊富に含まれる食材の摂取が不足しがち。単身世帯の増加や偏った食生活の影響で、亜鉛欠乏症に陥る人が増えています。
亜鉛不足になりやすい人の特徴
2019年の「国民生活基礎調査」によると、日本では単独世帯が最も多くなっています。
ひとり暮らしだと、どうしてもコンビニ弁当やスーパーのお惣菜、外食に頼りがちです。すると栄養バランスが偏り、亜鉛不足に陥りやすい傾向にあります。
▼亜鉛不足になりやすい人の特徴 ・自炊しない ・お惣菜やコンビニ弁当が多い ・ダイエットをしている ・食事の全体量が少ない ・ひとり暮らし ・お酒を習慣的に飲んでいる |
ひとり暮らしで自炊しない人の中でも、お酒を飲む習慣がある人は特に亜鉛不足になりやすいので注意が必要です。
亜鉛欠乏が起こる流れ
「ひとり暮らし・自炊しない・お酒を飲む習慣がある」という人が亜鉛欠乏に陥りやすいのは、ただ亜鉛の摂取量が足りないだけではありません。添加物やアルコールの影響で、亜鉛を摂っても身体が吸収しにくいのです。
▼亜鉛欠乏が起こる流れ 1. 摂取不足 2. 吸収阻害 3. 排出促進 |
コンビニ弁当やお惣菜が多い食生活では、肉類や魚介類など亜鉛豊富な食材が減ってしまいがち。食べるものが偏っていると、亜鉛の必要量が身体に入ってきません。
加工食品に含まれる添加物やアルコールは、身体が吸収する亜鉛の量を減らしてしまいます。さらにアルコールには尿中に排泄される亜鉛を増加させる作用があるため、亜鉛欠乏が起こってしまうのです。
亜鉛不足を予防する方法
亜鉛不足にならないためには、亜鉛が豊富な食材を意識して摂ることが大切です。どうしても食事で補いきれない場合は、亜鉛のサプリメントを活用しましょう。
日本人に必要な1日あたりの亜鉛摂取目安
日本人に必要な1日あたりの亜鉛摂取量は「男性10mg・女性8mg」が目安です。
ただし「男性10mg・女性8mg」は病気にならない最低ラインなので、男女ともに15mgくらいは亜鉛を摂取したほうがいいでしょう。35mgくらいまでは摂りすぎにならないので、かなりの量を摂っても大丈夫です。
▼亜鉛を多く取ったほうがいい人 ・免疫力を上げたい人 ・血糖値が高めの人 ・アルコールをよく飲む人 ・食品添加物を多く摂っている人 |
特に感染症が気になる今こそ、亜鉛をしっかり摂って免疫力を上げることがとても大切です。亜鉛が豊富な食材をしっかり摂り、どうしても足りない場合はサプリメントなどで補いましょう。
亜鉛が豊富に含まれる食材
私たちが健康を保つためには、亜鉛の摂取が欠かせません。亜鉛のサプリメントもありますが、まずは亜鉛が豊富に含まれる食材を食べるようにしましょう。
食材 | 亜鉛含有量(100gあたり) |
---|---|
牡蠣 | 14mg |
いりこ(田作り) | 7.9mg |
牛肉赤身(モモ) | 4.8mg |
うなぎ(蒲焼) | 2.7mg |
鶏もも肉 | 1.6mg |
あさり | 1.0mg |
かぼちゃ | 7.7mg |
ごま | 5.7mg |
アーモンド | 3.6mg |
上記の表は食材100gあたりの亜鉛含有量なので、亜鉛摂取目安(男性:10mg、女性8mg)を摂るためには多食材から取り入れるのがおすすめです。豆類やナッツ類、全粒穀物や乳製品からもある程度の亜鉛を摂取できます。
亜鉛不足を解消して健康と美しさを手に入れよう
単身者世帯が増えている日本では、食事内容が偏りやすく、亜鉛不足の人も増加傾向にあります。
毎日の食事をコンビニ弁当やスーパーのお惣菜で済ませてしまいがちな人は、亜鉛不足になりやすいので注意してください。飲酒習慣がある人も、アルコールの作用によって亜鉛が排出されてしまうので注意が必要です。
亜鉛が不足すると、原因不明の体調不良や慢性的な疲労感、抜け毛や味覚障害などさまざまな症状が起こります。将来の健康寿命を失うことにもつながるので、健康と美しさを維持するためにも、亜鉛が豊富な食材を積極的に食べるようにしましょう。