ワクチンの効果を高める生活習慣とは?運動・睡眠・食事のポイントを医師が解説
「ワクチンを打ったのに感染した」「ワクチンを打たないのに感染しない人がいる」など……ワクチンの効果に疑問を感じていませんか?
実は、新しい研究で「生活習慣」がワクチンの効果に影響することが分かりました。ワクチンを打ったのに感染してしまった方は、運動不足や睡眠不足など、何らかの原因を抱えているかもしれません。
この記事では、Dr.あきこが最新のエビデンスをもとに「ワクチンの効果を高める方法」について解説します。誰でも簡単に取り組めることなので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
目次
ワクチンの効果を高める生活習慣
ワクチンを受けたのに、感染して発症する人。
ワクチンを受けていないのに、感染症を発症しない人。
その違いは、感染源との接触頻度や体質だけではありません。実は、日々の生活習慣によるところが大きいことが分かっているのです。
ワクチンの効果を高める「運動」
ウォーキングなどの軽い運動を習慣的に行っている人は、新型コロナワクチンの効果が高まることが分かりました。
2022年「British Journal of Sports Medicine」オンラインに掲載された論文による報告です。週に150分以上(1日あたり22分以上)運動する習慣がある人は、新型コロナワクチンを打つことで「入院を予防できる効果」が最も高い結果となりました。
運動時間 | ワクチンの予防効果 |
---|---|
週に150分以上の運動習慣 | 85.8%の予防効果 |
週に60〜149分の運動習慣 | 72.1%の予防効果 |
週に60分未満の運動習慣 | 60%の予防効果 |
この研究では、合計19万人以上の医療従事者を対象にしています。医療記録や新型コロナワクチンの摂取状況、医療保険、歩数計や活動量計で記録した身体活動のデータなどを2年間にわたり調査しました。
つまり、1日20分ちょっとの軽い運動を行うだけで、ワクチンの効果がより確実になるということです。新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぎやすくなり、入院する確率が大きく下がると考えられます。
ワクチンの効果を高める「睡眠」
ワクチンの抗体を体内に増やすためには、7時間以上の睡眠も有効です。
日本人の睡眠時間は、世界的にみても非常に少ないことが分かっています。とくに40〜50代の働き盛りの年代や女性は睡眠時間が短い傾向にあるので、睡眠不足の方は質の良い睡眠を7時間以上とるように意識してみてください。
参考:平成26年版厚生労働白書 |
ワクチンの効果を高める「食事」
ワクチンの効果を高めるために、食事の内容も見直してみてください。
腸内環境を整えるために、野菜や海藻などで食物繊維を積極的に食べましょう。さらにビタミンやミネラルも意識して摂ることで、免疫力が高まります。
タンパク質や脂質は、体力強化やホルモンバランスの調整に役立つ食材です。甘いお菓子や炭水化物に偏りすぎず、さまざまな栄養を取り入れることが健康を高めます。
1日22分の運動+7時間以上の睡眠でワクチンの予防効果を高めよう!
せっかくワクチンを受けるなら、効果を最大限にしたいですよね。
ワクチンの効果を高めるためには、毎日22分以上の軽い運動や7時間以上の睡眠時間を確保することが重要です。さらにバランスの良い栄養補給を心がけることで、免疫力が高まって感染・発症を防ぎやすくなります。
基本的な生活習慣の改善は、手洗い・うがいと同様に感染拡大の予防に効果的な方法です。健康や美容にも嬉しいメリットがたくさんあるので、ぜひこの機会に運動・睡眠・食事の見直しに取り組んでみてください。