うるさい場所に住むと心筋梗塞のリスクが上がる?騒音と病気の関係とは
「騒音が気になってイライラする」「外がうるさくて眠れない」など……騒音によるストレスを抱えていませんか?
実は、騒音によるストレスは病気のリスクを上げることが分かっています。交通量が多かったり、工事が多かったりする場所で暮らしている方は注意が必要です。
そこで今回は、医学博士のDr.あきこが騒音と病気の関係について解説します。騒音に悩まれている方はもちろん、これから引っ越しを考えている方も、ぜひご自身やご家族の健康のために最後までチェックしてみてください。
目次
騒音レベルが高い環境は「心筋梗塞」のリスクを上げる
アメリカで行われた研究によると、騒音レベルの高い環境は「心筋梗塞」の発症率を上げることが分かりました。
交通騒音のレベルが高い環境(1日平均65db以上)で過ごしている群は、騒音レベルが低い群(平均50db未満)に比べて「心筋梗塞」の発症率が72%も高かったそうです。
交通騒音のレベルが高い環境は「大気汚染」のレベルも高いことが多いので、化学物質による影響も考えられます。しかし化学物質だけでなく、騒音自体のストレスも「心筋梗塞」の発症リスクを高めているようです。
騒音が「心筋梗塞」や病気のリスクを上げる原因
騒音が「心筋梗塞」の発症リスクを上げる原因は、大気汚染による化学物質の影響だけではありません。騒音による精神的ストレスや、夜間の騒音による睡眠不足の影響も考えられます。
騒音による慢性的なストレス
うるさい環境で過ごすストレスは、炎症を起こすホルモン分泌を高めます。
慢性的な炎症は、動脈硬化をもたらす原因の一つです。動脈硬化によって血液の固まりができると、血液のめぐりが悪くなって心筋梗塞を発症しやすくなります。
騒音による睡眠障害
騒音によって眠れない日々が続くと、睡眠不足による慢性炎症が心臓血管への負担を高めます。
慢性的な寝不足は昼間眠くなったりやる気がなくなるだけでなく、ホルモン分泌や自律神経にも大きな影響を及ぼすのです。さらに寝不足によって食欲を抑えるホルモン「レプチン」の分泌が減少し、食欲を高めるホルモン「グレリン」の分泌が増加して食欲を増大させます。
肥満は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の罹患リスクを高める原因です。生活習慣病が進行すると動脈硬化が起こりやすくなり、結果として心筋梗塞の発症リスクを高めることにつながります。
騒音の多い都会暮らしは心筋梗塞に要注意!たまには自然豊かな場所に出かけてみて
都会での暮らしは騒音だけでなく、大気汚染や水質汚染による病気リスクを高めることがさまざまな研究から明らかになっています。
さらに森林などの自然環境が少ないことも、人間のストレスを大きくする原因です。慢性的なストレスは炎症を起こすホルモンを分泌し、心臓の血管に大きなダメージを与えてしまいます。
すでに騒音の多い都会で暮らしている方は、休みの日に自然豊かな場所へ出かけてみてください。都会の喧騒から少し離れてみると、心身のストレスを解消して元気を取り戻せるかもしれません。
また、Dr.あきこはYoutubeでも健康に関するさまざまな情報を動画で配信しています。よりわかりやすく解説されていますので、健康になりたい方は動画の方も合わせてチェックしてみてください。