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体内時計を整える食事法とは?夜勤のあるシフトワークでも健康を維持できる!

「夜勤があるシフトワークは身体がツラい」「体内時計が狂っている気がする」など……働き方と健康管理に関して、不安を感じていませんか?

実は、日勤と夜勤をランダムに繰り返すシフトワークは、体内時計が狂うことで生活習慣病になりやすいといわれています。肥満や高血圧などが続くと、日本人の三大死因である癌・脳血管疾患・心疾患が起こりやすくなるので注意が必要です。

そこで今回は、Dr.あきこが新しい研究から「体内時計を整える食事法」について解説します。忙しい方でも簡単にできる食事法なので、ぜひ健康のために実践してみてください!

目次

シフトワーカーの命を救う食事法「TRE」

夜勤のあるシフトワークだと、就寝・起床時間や食べる時間がバラバラになってしまいますよね。

生活リズムがバラバラだと体内時計が乱れて、心身にさまざまなストレスがかかります。体内時計が狂うと生活習慣病が起こりやすくなるため、夜勤のあるシフトワークは健康を維持しにくいと考えられてきました。

しかし新しい研究では、食事を摂る時間によって体内時計を維持しやすくなることが示されたのです。実験で用いられた「TRE」という食事法は、シフトワーカーの命を救う食事法ともいえるでしょう。

TREとはTime Restricted Eating(食事時間制限法)

TREとは「Time Restricted Eating(食事時間制限法)」の略で、食べていい時間を制限する食事法のこと。

例えば朝食を朝の8時に食べたら、夕食は10時間後の18時までに食べ終えるという方法です。近年、TREはファスティングとともに健康法・減量

▼TREで期待できる効果

・腸内環境の改善
・代謝向上
・血糖上昇の予防
・体内時計の調整 など

空腹の時間が長くなると、「オートファジー」という細胞の自浄作用が働きます。

「オートファジー」とは古くなった細胞を分解して、新しい細胞に再利用するための重要な機能です。「オートファジー」が活性化することで細胞が生まれ変わるため、身体にとってさまざまな嬉しい作用がもたらされます。

シフトワーカーの血糖値や血圧がTREによって改善した

アメリカで行われた研究によると、シフトワークの消防士が「TRE(食事時間制限法)」によって血糖値や血圧が改善しました。

夜勤・日勤をランダムに勤務するシフトワークの消防士に、食べていい時間を10時間以内に制限させたそうです。すると血糖値・血圧・脂質異常などの改善が見られました。

生活のリズムがバラバラになりがちなシフトワーカー(交代勤務者)は、脳梗塞や心筋梗塞などの重篤な血管病を発症するリスクが高いといわれています。しかし「TRE(食事時間制限法)」を実践すれば、シフトワーカーでも健康を保ちやすくなると考えられるでしょう。

体内時計のリズムは食事時間で調節できる

体内時計を調節する重要なポイントは、食事を摂る時間です。

不規則な睡眠で脳のリズムが狂うとしても、食事時間が整っていれば臓器のリズムを保ちやすくなるのかもしれません。

この研究によって、食事時間の調節によって健康障害のリスクを抑えられる可能性が示されました。「仕事だからどうしようもない」と諦めていたシフトワーカーも、健康維持のためにぜひ「TRE(食事時間制限法)」を取り入れてみてください。

体内時計が狂うと起こりやすくなる症状

体内時計が狂うと、生活習慣病のリスクが高まるといわれています。

▼体内時計のリズムが狂うと起こりやすくなる症状

・肥満
・高血圧
・睡眠障害
・披露の蓄積 など

生活習慣病は動脈硬化症・糖尿病・高血圧症・脂質異常症などを引き起こします。さらに日本人の三大死因である癌・脳血管疾患・脂質異常症のリスクを高める要因です。

生活習慣病は喫煙や飲酒だけでなく、食事・運動・ストレスも深く関与することが分かっています。

シフトワークは体内時計が狂うだけでなく、心のバランスも崩しやすい働き方です。シフトワークで心身のストレスを感じる方は、食べていい時間を制限する「TRE(食事時間制限法)」に取り組んでみてください。

食べる時間を制限する「TRE」で体内時計が狂うのを防ごう!

日勤と夜勤をランダムに繰り返すシフトワークは寝る時間・食べる時間がバラバラになるので、体内時計が狂うことも少なくありません。

さらに多くの人は日中に活動しているので、家族や友達とのスケジュールがなかなか立てられずに孤独感を感じてることもあるでしょう。夜間は多くの商業施設も閉まってしまうため、シフトワーカーは人との交流や社会生活の制限によるストレスも大きくなります。

心身のストレスが大きいと、生活習慣病のリスクはさらに高まってしまうので要注意。シフトワークによる体内時計の乱れやストレスを感じている方は、せめて食事時間だけでも意識し、食べていい時間を10時間以内に制限する「TRE(食事時間制限法)」も取り入れてみてください。

Dr.あきこは、Youtubeの「マインドフル睡眠チャンネル」でも健康情報を配信しています。健康的で幸せな毎日を過ごすために、ぜひ動画でも気になる健康情報をチェックしてみてください。

この記事を書いた人 医師 山下あきこ

1974年、佐賀県生まれ。二児の母。内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医、医学博士。アメリカ神経学会会員でもある。1999年…

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