「身体が硬いと血管が硬い」説は本当だった!動脈硬化の原因と改善方法とは?
みなさんは、ストレッチをする習慣がありますか?
「忙しくて時間がない」「身体が硬くて苦手」など……さまざまな理由で、ストレッチから遠ざかっているかもしれません。しかし筋肉の柔軟性が失われると、皮膚の内側にある血管まで硬くなってしまう可能性があるのです。
この記事では、医師のDr.あきこが「身体が硬いと血管が硬い」という説の真実について、エビデンスをもとに紹介していきます。血管が硬くなる要因や、血管を若々しく保つ方法を紹介していくので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
目次
「身体が硬い人」は血管も硬い
「身体が硬いほど血管が硬い」という説を聞いたことがありますか?
「身体が硬いほど血管が硬い」という説は、2009年に日本の国立研究機関によって正しいことが証明されました。
血管の硬さは「PWV検査」で調べられる
日本の国立研究開発法人「医薬基盤・健康・栄養研究所」は、オムロン社の機械による「PWV検査」で血管の硬さを測定しました。
「PWV検査」の「PWV」とは、「Pulse Wave Velocity(脈波伝達速度)」 の略です。
心臓から押し出された血液の拍動は、血管の壁や血液を通って末梢まで届きます。そのとき、血管の壁が硬いほど拍動が早く伝わるという性質があるのです。
「PWV検査」は拍動が伝わる速さを調べる検査で、比較的太い血管の硬さの指標とされています。「PWN」の数値が高ければ高いほど、血管が硬いということです。
身体の柔軟性と血管の硬さは相関性がある
国立研究開発法人「医薬基盤・健康・栄養研究所」は、「PWV検査」の被験者に前屈をさせて、足首から指先までの距離を測定しました。
そして、身体の柔軟性と「PWV検査」の結果との相関を調査したそうです。
すると、身体が硬い人ほど「PWV」の数値が高いことが分かりました。つまり「身体が硬い人は血管が固くなっている可能性が高い」という説が証明されたのです。
血管が硬くなる(PWVの数値が高くなる)要因
身体の硬さと血管の硬さは、相関していることが分かりました。では、その他にどのような因子が血管の硬さ(PWVの数値)に影響するのでしょうか?
肥満
肥満は動脈硬化の原因になると考えるのが主流ですが、これにはさまざまな見解があります。
調査する対象群によって、「PWV検査」の結果は異なるようです。
肥満になると、脂肪細胞から「アディポネクチン」という物質が分泌されにくくなります。「アディポネクチン」は動脈硬化を抑制する効果があるため、「アディポネクチン」の分泌が減少することで血管が硬くなると考えられているのです。
しかし55歳以上になると、見た目の年齢は肥満の方の方が若く見える傾向にあります。高齢になると、軽度肥満の方が長生きする傾向にあるそうです。
塩分の摂りすぎ
塩分を控えている方は、「PWV検査」の数値が正常に近くなるようです。
塩辛いものを好む方は、血管が固くなっているかもしれません。動脈硬化を防ぐためにも、できるだけ塩分を控えた食生活を心がけましょう。
高血圧
上の血圧(収縮期血圧)が高ければ高いほど、「PWV」の数値が高くなります。
高血圧の原因は、食塩の摂りすぎや肥満です。これまでお伝えした「血管が硬くなる要因」を繰り返していると高血圧になり、動脈硬化が加速すると考えられるでしょう。
また、血管が硬くなると、上の血圧と下の血圧の差が大きく開きます。それほど高血圧ではなくても、上下の血圧の開きが大きい方は動脈硬化が進んでいる可能性があるので注意してください。
飲酒
1日に30g以上のアルコールを摂取している方は、血管が固くなりやすいことが分かっています。
厚生労働省によると「ビール中瓶1本」「日本酒1合」「チューハイ(7%)350ml缶1本」でアルコール20gです。つまり、それ以上のアルコールを摂取すると30gを超えてしまうことになります。
アルコールが好きな方は、30g以上のアルコールを日常的に摂取しているのではないでしょうか?毎日のようにお酒を飲みすぎると、血管が硬くなる可能性が高いので注意してください。
血管を柔らかくして若々しさを保つ方法
健康的で若々しい身体を保つためには、血管の柔軟性を意識することが大切です。血管がやわらかくなることで巡りがよくなり、さまざまな病気の予防につながります。
有酸素運動やストレッチを行う
有酸素運動は「PWV」の数値を下げる効果があります。
また、血管の伸縮性を高めるためにはストレッチもおすすめです。ストレッチを行うとNO(一酸化窒素)が出て血管が広がるので、実際に血管を若返らせる効果が期待できます。
上記の画像のような、肩から二の腕にかけてのストレッチが効果的です。朝夕にストレッチを取り入れて、身体と血管の柔軟性を鍛えましょう。
ただし同じ運動でも、筋力トレーニングは血管の柔軟性とあまり関係しないようです。血管の柔軟性を高めるのが目的で運動するなら、有酸素運動やストレッチに取り組んでみてください。
血管によい栄養を摂る
血管を若返らせるために効果的な栄養を摂るのもおすすめです。
▼血管によい栄養素 ・EPA ・リコピン ・ビタミンC ・ビタミンE |
EPAは魚に含まれます。
トマトは、リコピンやビタミンCが豊富な野菜です。ビタミンEはカボチャに多く含まれ、血管の若さを高める効果が期待できます。
血管が硬い人は要注意!血管を改善して健康寿命を伸ばそう
若々しく伸縮性のある血管を保つと、健康寿命を伸ばしやすくなります。
運動や食事などを含めた「セブンアプローチ」は、Dr.あきこが提唱する独自の健康法です。「食事だけ」「運動だけ」ではなく、7つの多方面なアプローチで健康を増進し、幸せな人生を送りましょう。
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