大豆は日本のスーパーフード!美容と健康には黒大豆がおすすめ!
豆腐や納豆、味噌やきなこなど……大豆製品を食べていますか?
日本人は、昔から大豆をよく食べてきました。実はこの大豆、栄養素のかたまりともいえるスーパーフードなのです。
2020年1月30日に発表された日本人対象の調査では、発酵性大豆食品を食べている人ほど総死亡リスクが低いことが分かっています。
目次
大豆の栄養で特に注目したいポイント
豆類には「炭水化物を多く含むグループ」「脂質を多く含むグループ」に分けられます。
炭水化物グループ | 小豆、ささげ、いんげん豆、えんどう、そら豆など |
脂質グループ | 大豆、落花生など |
大豆は豆類の中でも栄養バランスに優れており、まさに日本のスーパーフードといえる食材です。
▼大豆の栄養成分 ・炭水化物29.5% ・脂質19.7% ・タンパク質33.8% |
炭水化物=糖+食物繊維で、大豆は炭水化物中の55%を食物繊維が占めています。糖質の割合が多くないので、糖質を控えたい人にもおすすめの食材です。
大豆は食物繊維が豊富
大豆の食物繊維は、可食部100gあたり17.9gです。
野菜の中で特に食物繊維が豊富といわれるゴボウやニンジンと比較しても、大豆の食物繊維が多いことがわかります。
▼食物繊維量の比較(100gあたり) ・大豆の食物繊維…17.9g ・ゴボウの食物繊維…5.7g ・ニンジンの食物繊維…2.8g |
茹でたり煎ったりすると、成分が変化して食物繊維量がさらに増えます。煎り大豆の食物繊維は、可食部100gあたり19.4gです。
食物繊維は身体に吸収されないので、栄養価が低いと思われてきました。しかし近年では、食物繊維によるさまざまなメリットが明らかになっています。
▼食物繊維を1日25g以上摂るメリット ・便秘解消 ・早期死亡率の低下 ・糖尿病の予防 ・虚血性心疾患の予防 ・大腸がんの予防 ・認知症の予防 |
食物繊維を含むドリンクやサプリ、スナックなども販売されていますが、あまり効果は期待できません。食物繊維を摂るなら、自然食品を食べるのが最も効果的な方法です。
大豆はタンパク質が豊富
大豆は食物繊維だけでなく、タンパク質も豊富な食材です。タンパク質を摂ることで、身体と心にさまざまなメリットが得られます。
▼タンパク質を摂るメリット ・筋肉を作り代謝を上げる ・疲れにくい身体を作る ・神経伝達物質の材料となり精神を安定させる ・自律神経のバランスを保つ |
タンパク質は多種類のアミノ酸で構成されています。「プロテインスコア」という指標があり、必須アミノ酸がバランスよく含まれているものほど高得点です。
大豆には必須アミノ酸「メチオニン」が含まれていないため、プロテインスコアは56とあまり高くありません。必須アミノ酸をバランスよく摂るために、大豆と一緒に「メチオニン」を多く含む卵や煮干しを食べるのがおすすめです。
大豆はポリフェノールが豊富
大豆に含まれる「大豆イソフラボン」はポリフェノールの一種です。
大豆イソフラボンには女性ホルモン様の作用があり、さまざまな症状を改善する効果が報告されています。
▼大豆イソフラボンの効果 ・更年期による症状の緩和 ・2型糖尿病の改善 ・脂質異常の数値改善 |
大豆食品として摂取する範囲の量であれば、大豆イソフラボンを毎日摂っても問題ありません。ただし大豆イソフラボンを過剰摂取すると有害に働く場合があるので、サプリメントやドリンクなどで摂る際は注意してください。
ピニトールが豊富
豆科の植物などに含まれる「ピニトール」は、さまざまな疾患の予防や治療に用いられる成分です。
▼ピニトールの効果 ・脂肪肝の予防や治療 ・肝硬変の予防や治療 ・血糖値の上昇を抑える ・肥満を抑制する効果 ・運動パフォーマンスの向上 |
上記の他にも、多嚢胞卵巣腫の病状改善も報告されており、今後さらに注目が集まることが考えられます。
ただしピニトールは水溶性が高く、納豆などにはほとんど含まれません。大豆の煮汁を飲む、炒り豆を食べるなどの方法であれば摂取できます。
大豆の中でも「黒大豆」は特におすすめ
大豆の中でも「黒大豆」は栄養バランスに優れ、味も美味しいので特におすすめです。調理するのも意外と簡単なので、ぜひ毎日の料理に取り入れてみてください。
調理しやすくて美味しい
黒大豆というと、おせち料理に入っている甘い黒豆を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?「ふっくら煮るのは難しそう」「時間がかかりそう」など、敬遠している人もいるかもしれません。
実は黒大豆でも「焙煎黒豆」を使えば、とても簡単に調理できます。砂糖を入れなくても甘みがあって、ホクホクとした食感で美味しいのが特徴です。
黒大豆を自分で煎ってもいのですが、1時間くらいかかるので、まずは煎ってあるものを使ってみてください。色鮮やかで料理の見た目もよくなるので、とてもおすすめの食材です。
栄養バランスに優れている
黒大豆の皮には「アントシアニン」「カテキン」などのポリフェノールが含まれています。水溶性なので煮豆や納豆にすると水に溶け出してしまいますが、黒豆茶や炒り豆にすることで摂取可能です。
黒大豆は、産地や品種によって栄養素の含有量が異なります。論文によると、育てられている環境によって栄養バランスが変わるそうです。
例えば福岡県の「筑前クロダマル」という品種は、他の品種に比べて「アントシアニン」が豊富に含まれています。「筑前クロダマル」の煎り黒豆はお茶にでき、お茶を飲んだ後は美味しく食べられるので、余すところなく使えるが嬉しいポイントです。
黒大豆の栄養で健康的な身体をめざそう
大豆や黒大豆は栄養バランスに優れ、日本のスーパーフードといえる食材です。
ただし、大豆や黒大豆ばかり食べていればいいわけではありません。自然界の食品にはまだ解明されていない栄養素がたくさんあるので、多くの栄養素を多くの食材から摂ることをおすすめします。
普段の食事でどうしても足りない栄養素があるなら、サプリを活用するのもあり。しかし、まずは地元の農家さんが作った安心食材を取り入れ、食べ物から栄養を摂るようにしてみてください。