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人工甘味料のデメリットとは?糖質オフの食品に潜む「甘い罠」

疲れたときやストレスがたまったとき、甘い物が欲しくなる人は多いはず。

しかし「ダイエット中だから」「血糖値を上げたくないから」という理由で、糖質オフの商品を選んでいませんか?糖質オフなら、砂糖入りのものよりも健康によさそうなイメージがありますよね。

しかし糖質オフの甘みをつくる人工甘味料は、デメリットがあるので注意が必要です。この記事では、医師が「人工甘味料のデメリット」について研究論文をもとに分かりやすく解説します。

目次

人工甘味料のデメリット

「糖質オフ」を選んでおけば太らないと思っていませんか?

「糖質オフ」の食べ物や飲み物に甘みをつけているのは、ほとんどが人工甘味料です。人工甘味料は血糖値を上昇させませんが、それ以上に大きなデメリットがあります。

人工甘味料は食欲を増進させる

2021年9月に南カリフォルニア大学より発表された研究によると、人工甘味料(スクラロース)入りの水を飲むと食欲が増すという結果が得られたのです。

参加者には12時間の絶食後、以下のいずれかの飲み物を摂取させました。

・砂糖(75g)を含む飲み物300ml
・人工甘味料(スクラロース)を含む飲み物300ml
・水300ml

参加者は各飲み物を摂取前・摂取10分・35分・120分後に採血を実施し、代謝や食欲に関する数値の変化を比較しました。さらに、摂取20分後には機能的MRIを用い、「ハンバーガー」「ドーナツ」などの食べ物の写真を見たときの脳の反応を検査します。摂取125分後からはビュッフェ形式で自由に食事をしてもらい、それぞれの摂食量を比較しました。

結果は、人工甘味料(スクラロース)入りの水を飲んだ参加者は、食欲を亢進させるホルモン「アシル化グレリン」のレベルが砂糖水摂取時よりも高くなっていたのです。

機能的MRIの検査では、女性や肥満者は人工甘味料(スクラロース)接種後に脳内の食欲にかかわる領域の活動が活発になりました。

参考:JAMA Network

人工甘味料による渇望が肥満につながる

「糖質って太りそう」「ダイエット中だけど甘いものが食べたい」という理由で、安易に糖質オフを選んでいませんか?

糖質オフの食べ物や飲み物に甘みをつけているのが、食欲の実験で使われた人工甘味料です。中でも「スクラロース」という種類の人工甘味料を摂ると、かえって食欲が増えてしまう可能性があります

せっかく糖質オフを選んでも食欲が収まらず、結局食べすぎてしまったら意味がありません。その後は血糖値や中性脂肪の症状が起こり、結局食べすぎに寄って太ってしまいます。

食欲をコントロールできない人は、砂糖を摂取したときよりも「糖質オフ」摂取後のほうがトータルの糖質量は増えてしまうでしょう

糖質オフを選んだ後は、渇望との戦いに打ち勝つ必要があるのです。

甘いものが欲しくなったときの対処法

糖質オフの甘いものを選ぶ前に「どうして甘いものが欲しくなるのか」考えてみてください。

仕事を頑張った後やストレスを感じたとき、糖質を欲するのは脳の自然な働きです。人工甘味料でも甘くて美味しい満足感は得られますが、脳が欲している栄養は摂取できません。

思いきって砂糖入りを選ぼう

甘いものが欲しくなったときは、思いきって砂糖入りのものを選ぶのがおすすめ

砂糖を摂れば心も身体も満たされて、食欲は落ち着きます。糖質オフを選んだ後の渇望がなくなり、結果的に糖質量やカロリーが減って、幸せかつ健康になれるはずです。

砂糖を摂るときは、ひと口ずつじっくりと味わって楽しみましょう

テレビやスマホを見ながら、仕事をしながら、無意識に口に入れてはいけません。「ながら食べ(飲み)」は、砂糖のおいしさや幸福感を十分に感じられないので、また次の甘いものが欲しくなってしまいます。

自分への思いやりを意識しよう

身体に取り入れるものに気遣うのは、自分への思いやりです。

心と身体のオーダーに耳をすませて、必要とするものを必要な分だけ食べることを意識してみてください。身体が欲するものを選んで食べれば、心も身体も自然と満たされていきます。

しかし、人工甘味料(スクラロース)や添加物を摂ると、脳への刺激によって食欲をコントロールしにくくなるでしょう。目や耳、嗅覚などから入ってくるさまざまな情報も脳を刺激し、心と身体のオーダーを聞きにくくしてしまいます。

心と身体のオーダーを素直に受け取るためには、さまざまな刺激に惑わされないことが大切です。最初は難しいかもしれませんが、自分の思考や行動パターンを少しずつ見つけるように意識してみてください。

人工甘味料のデメリットに要注意!糖質オフよりも砂糖入りを選ぼう

心や身体が甘いものを欲するのは、脳が砂糖による栄養を欲しているからです。

人工甘味料で味覚をごまかしても、脳はごまかせません。脳への刺激がかえって食欲を増やし、トータルの糖質摂取量が増えてしまうことにもつながります。

「糖質オフ」を選ぶなら、思い切って砂糖入りを選ぶ方が賢明です。甘いものを食べるときはひと口ずつじっくりと楽しみ、心から幸せを感じることで、食欲が収まり糖質の過剰摂取を防げます。

この記事を書いた人 医師 山下あきこ

1974年、佐賀県生まれ。二児の母。内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医、医学博士。アメリカ神経学会会員でもある。1999年…

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