「https://mindful-health.co.jp/info/wp-content/uploads/2022/04/22073133_s.jpg」のアイキャッチ画像 痩せる食べ方とは?日本における食事の「謎ルール」を医学的に解説

痩せる食べ方とは?日本における食事の「謎ルール」を医学的に解説

「最近体型が気になり始めた」「健康診断の数値が悪かった」など、体重や体型について悩んでいる日本人が非常に多い現代。

インターネットやSNSには多くの情報があり、何が正しいのかわからなくなっている人も多いのではないでしょうか?

実は、同じ食事内容でも「食べ方」を変えるだけで、太りにくい身体が目指せるのです。この記事では、医師が「痩せる食べ方」について科学的な根拠をもとに解説していきます。

目次

基本が大切!痩せる食べ方3選

肥満や血糖値の上昇などが気になる人は「食べ方」「食べ順」を見直すのが効果的です。痩せる食べ方を意識すれば、同じ食事内容でも太りにくくなります。

痩せる食べ方①:よく噛んでゆっくり食べる

古くから「早食いは太る」と伝えられてきましたが、実際に早食い習慣がある人は肥満者が多いことが分かっています。

太りにくくするためには、よく噛んでゆっくりと食べることが大切です。

ゆっくり食べることで満腹感が感じやすくなるため、食べ過ぎを防止できます。また、噛む回数が増えることで唾液の分泌が増え、消化を助ける効果もあります。

痩せる食べ方②:スープから飲む

食事をするときは、汁物から食べましょう

味噌汁やスープなど、汁物を先に食べることで血糖値の急上昇を防げます早食いを防ぐ効果も期待できるため、つい早く食べてしまう人にも効果的な方法です。

汁物を食べ終えてから、サラダやおかずに手を付け始めてみてください。学校で習った「三角食べ」「稲妻食べ」ではなく、先に汁物を食べきってしまうのがポイントです。

痩せる食べ方③:飲み物を噛んで飲む

早稲田大学と国立研究開発法人「医薬基盤・健康・栄養研究所」によると、液状のものを「噛んで飲む」ことでエネルギー消費量を上げる効果があることが分っています

研究に参加した人を3つのグループに分け、それぞれ異なる飲み方で砂糖入りのココア風味飲料200mlを飲んでもらいました。

・グループ1…20mlずつ30秒ごとに、10回に分けて飲んだ
・グループ2…20mlずつ口に含み、30秒飲み込まずに味わってから10回に分けて飲んだ
・グループ3…20mlずつ口に飲み物を含み、30秒ゆっくり噛んでから10回に分けて飲んだ

飲み物を飲んだ後、最も代謝が上がったのはグループ3でした。

この研究で分かることは、食べ物の形状(個体・液体)を問わず「よく噛んで食べること」が食後エネルギーの消費量を増やすということ。食事のときは味噌汁やスープなども一緒に食べ、液体でもよく噛んでから飲み込むことを意識しましょう。

日本だけ?食事の謎ルールを医学的に解説

「牛乳を噛んで飲もう」「三角食べをしよう」など……給食の謎ルールを覚えていますか?

日本だけで指導されている食べ方の謎ルールについて、医学的な見方で解説していきます。

謎ルール①:牛乳を噛んで飲む

今までは「謎ルール」だった「牛乳を噛んで飲む」という指導ですが、前項で紹介したとおり、2021年12月に科学的な根拠が示されました。

噛んで飲むことにより、エネルギー消費量の増加が食後90分間も続くことが分かっています。昔の人は、体感として「噛んで飲む」ことの有効性に気付いていたのかもしれませんね。

謎ルール②:三角食べ

日本の学校では「三角食べ」「稲妻食べ」が推奨されています。

これはご飯、おかず、汁物を交互に食べる方法です。三角食べは口中調味によってご飯がおいしく感じられるため、成長期で食事が進まない子どもたちには効果的な食べ方とされています。

また、日本の伝統的な食事様式「ご飯とおかず」を維持するためにも、三角食べによる口中調味を子どもに覚えさせる意味もあるでしょう。

しかし一方で、三角食べは血糖値を上昇させやすいことも指摘されている食べ方です。

精製された白米を先に食べると、食物繊維が少ないため糖の吸収が早く、血糖値の急上昇を起こします。血糖値の上昇を緩やかにし、痩せやすくするためには、汁物や野菜→肉や魚→炭水化物の順番で食べるほうがよいといえるでしょう。

謎ルール③:残さず食べる

「残さず食べる」という教えは、フードロスを少なくするためにとても重要な教育といえます。

飢餓で苦しむ国もある中で、食べ物を粗末にしない気持ちは大切です。また、給食は栄養バランスがよいので、成長期の子どもたちにとっては残さず食べるほうがメリットが大きいといえるでしょう。

ただし、ほとんどの大人は食べすぎの傾向にあります。出されたものを「残さず食べる」と、生活習慣病になってしまうリスクもあるので注意が必要です。

健康のことを考えれば、お腹いっぱいになったら「残す勇気」も必要といえます。しかしフードロスを出さないためにも、食事は食べ切れる量を用意し、万が一残ってしまったら工夫して次の食事に回しましょう。

痩せる食べ方のポイントは「よく噛む」「ゆっくり食べる」

健康や美容のためにスタイルを維持したいなら、よく噛んでゆっくり食べることを意識しましょう。

時間をかけてゆっくり食べると満腹感を感じやすく、食べすぎによるカロリー過多を防げます。また、よく噛むことで唾液の分泌が増えるため、消化がよくなることも痩せやすくなるポイントです。

学校で教えられてきた「三角食べ」「残さず食べる」などのルールにも、しっかりとした意味があります。しかし大人になると栄養過多に陥りやすく生活習慣病のリスクも高まるため「食べ方」「食べ順」「食べる量」に注意しましょう。

この記事を書いた人 医師 山下あきこ

1974年、佐賀県生まれ。二児の母。内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医、医学博士。アメリカ神経学会会員でもある。1999年…

関連する記事