ビタミンDでインフルエンザを予防できる?予防接種よりも効果的って本当?
「感染症にかかりたくない」「免疫力を上げるためにはどうすればいい?」など、健康への関心が高まっているのではないでしょうか。
実は「ビタミンD」を摂取することで、インフルエンザや呼吸器感染症を予防できることが分かっています。イギリスの研究によると「インフルエンザ予防接種よりも効果的」という統計結果もあるほどです。
今回の記事では「ビタミンDによる感染症予防効果」について解説します。ビタミンDの摂取方法やおすすめのサプリメントも紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
目次
ビタミンDの抗ウイルス効果
東京慈恵会医科大学の研究によると、ビタミンDを継続的に服用することで、インフルエンザにかかる確率を下げられることが分かりました。
ビタミンD摂取はインフルエンザ予防に効果的
東京慈恵医科大学の研究チームは、インフルエンザ流行期の小中学生を対象に、ビタミンDのサプリメントを4ヶ月間服用させる研究を行いました。
334人の小中学生を2つのグループに分け、一方にビタミンDのサプリメントを、もう一方に偽薬を服用させます。すると、ビタミンDを服用したグループはインフルエンザ感染を42%も抑えられたのです。
研究対象 | インフルエンザ感染人数(率) |
---|---|
ビタミンDを服用したグループ | 18人(10.8%) |
プラセボを服用したグループ | 31人(18.6%) |
この研究により、ビタミンDによる抗ウイルス効果が認められました。
インフルエンザ予防接種よりも予防効果が期待できる
ロンドン大学クイーン・メアリーの研究チームは、風邪や鼻詰まり、肺炎などの感染症を対象にビタミンDの効果を調査しました。
すると、ビタミンDはインフルエンザだけでなく、幅広い呼吸器感染症を予防できることが分かったのです。この研究では「インフルエンザの予防接種よりも効果的」という統計結果も出ています。
研究によると、ビタミンDのサプリメントは一度に大量摂取するよりも、毎日もしくは毎週コンスタントに摂取する方が効果が高くなっています。また、もともとビタミンD不足の人はより高い効果が認められました。
ビタミンDとは?
ビタミンDとは、コレステロール由来のホルモンです。コレステロールからできた「プロビタミンD」が紫外線が表皮で反応すると「プレビタミンD」になり、さらに体温による変化で「ビタミンD」が生成されます。
ビタミンDの働きと効果
ビタミンDの細胞内受容体は脳や大腸、前立腺や乳腺など全身の臓器にあり、以下のような働きをしています。
▼ビタミンDの働き ・細胞を増やす ・不要になった細胞を取り除く ・血管を作る ・カルシウムを吸収する ・その他 |
ビタミンDが全身で働くことで、私達の身体は健康な状態を維持しているのです。ビタミンDには、以下のような効果が認められています。
▼ビタミンDの効果 ・骨の強化 ・心臓血管疾患予防 ・がん予防 ・認知機能の維持 ・うつ病予防 ・糖尿病予防 ・筋力低下予防 ・その他 |
また、2006年以降はビタミンDを投与することで「抗菌ペプチド」の一種が作られることが分かっています。また「炎症性サイトカインIL-12を低下させる」「抑制性サイトカインIL-10を増加させる」なども認められており、ビタミンDには抗菌作用・抗炎症作用の両方があると考えられます。
日本人はビタミンDが不足しがち
日本人は、ビタミンD不足の人が多いと考えられています。
日本抗加齢医学会の雑誌によると「初診患者でビタミンDの血中濃度が不足している人の割合が80%程度」とのこと。また、乳幼児のくる病(骨軟化症)患者が10年間で2.5倍に増えていますが、母親の低ビタミンD血症が影響している可能性があります。
参考:日本抗加齢医学会の医学雑誌「アンチエイジング医学2020」vol.16 N0.3(満尾正医師) |
ビタミンDを摂る方法
▼ビタミンDを摂る方法 1. 日光浴 2. 食事 3. サプリメント |
イギリスではビタミンDサプリメントの摂取を推奨しており、ロンドン大学の研究チームはビタミンDの食品添加を目指しています。アメリカではすでに「牛乳」にビタミンDが添加されており、ビタミンDの積極的な摂取は世界中で重要な課題になっていくでしょう。
日光浴をする
ビタミンDは、紫外線に反応して生成されます。
しかし日照時間が短くなる11月から4月にかけては、1年で最もビタミンD血中濃度が低下する時期です。「朝起きたら日光を浴びる」「駅まで歩いて通勤する」など、日光浴を習慣化するといいでしょう。
▼十分な量のビタミンDを合成する方法 ・関東:両手足を露出した服装で日光を22分程度浴びる ・沖縄:両手足を露出した服装で日光を8分間浴びる |
しかし日焼け止めを塗らず、日陰にも入らず、毎日炎天下で長時間日光にさらされている人は少ないはず。さらに高齢者は皮膚でのビタミンD合成量は低下し、70代では、20代の25%程度になるそうです。
そのため、ビタミンDを十分に摂取するには「日光浴+α」のケアが必要といえます。
食事からビタミンDを摂る
食べ物からビタミンDを摂ることもおすすめです。
▼ビタミンDが豊富な食材 ・きのこ類(ビタミンD2) ・魚類(ビタミンD3) |
日光浴で皮膚から作られるのはビタミンD3です。ビタミンD3は、ビタミンD2の4倍程度の生理活性があります。
魚は効率よくビタミンDを摂取できる食材なので、日常の食卓に取り入れてみてください。
サプリメントでビタミンDを摂る
きのこ類や魚を毎日食べられない場合は、サプリメントの活用もおすすめです。
1日に必要なビタミンDの量は、ビタミンD3として1000〜2000IUほど。しかし1日1000IUを摂取していても、血中のビタミンD濃度が十分に上がらない場合もあります。
ビタミンDの摂りすぎに関するリスクはごくわずかで、ビタミンD3を1日10,000IU、5ヶ月間毎日摂り続けても副作用がなかったという研究もあります。ただし1日50,000IU以上のビタミンDを毎日摂ると「高カリウム血症」「低リン血症」を起こすことも稀にあるので、摂りすぎには注意してください。
ビタミンDの含有量は「μg(マイクログラム)」という重量の単位で表記されることも多くあります。「μg」から「IU」へ変換するときは「μg×40」、「IU」から「μg」に変換するときは「IU×0.025」で計算可能です。
1日に必要なビタミンDの量「1000IU〜2000IU」を換算すると、「25μg〜50 μg」になります。
ビタミンDでインフルエンザや感染症を予防しよう!
ビタミンDの摂取は、ウイルスや細菌による感染症を防ぐために効果的であることが多くの研究から分かっています。
しかし現代の日本人は、生活習慣や食生活の変化によってビタミンDが不足しがち。健康的な身体を保つためには、普段の生活習慣や食事から意識して変えていくことが大切です。
ビタミンDは紫外線に反応して皮膚で合成されるので、太陽の光を浴びることで血中の濃度を増やせます。食事ではきのこ類や魚をしっかり食べるのが効果的ですが、どうしても不足する場合はサプリメントの服用もおすすめです。
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