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運動は何分すればいい?ウォーキングで効果的な時間や歩数とは?

「ウォーキングはどれくらいの時間すればいい?」「有酸素運動は20分以上しないと効果がないって本当?」など、運動する時間について悩んでいるのではないでしょうか。

忙しい毎日の中で、長時間の運動はなかなか続けられないもの。ダイエットや健康にいいと分かっていても、時間がかかる運動やハードな運動は抵抗がありますよね。

実は、アメリカの研究で「短時間のウォーキングでも代謝への効果が期待できる」ということが明らかになりました。当記事では、マサチューセッツ総合病院心臓病学部の論文をもとに「健康に効果的な運動時間や歩数」について解説します。

目次

ウォーキングは何分すると効果がある?

軽めのウォーキングや運動は、長時間行わないと効果がないと思っていませんか?実は、12分ほどの運動だけでも代謝アップ効果が期待できるのです。

短時間のウォーキングでも代謝に変化がある

1日わずか12分程度の軽い運動で、健康に関係のある代謝物80%に変化が現れることが分かりました。

2020年9月に、米国心臓学会が発行する雑誌「Circulation」に掲載された研究です。

▼12分の運動で変化が見られた代謝物

・インスリン抵抗性
・酸化ストレス
・血管反応性
・炎症
・長寿に関わる代謝物

例えば心臓病や糖尿病などに関係する「グルタミン酸」は、短時間の運動でも29%低下することが分かりました。認知症や糖尿病にかかわる慢性炎症も、短時間の運動によって起こりにくくなります。

短時間のゆるやかな運動でも、代謝にいい影響があると証明されたのです。短時間の運動で、心臓や血管の状態をよくする効果も期待できます。

参考:Bursts of exercise can lead to significant improvements in indicators of metabolic health

達成しやすい目標を設定することが大切

運動を習慣化するためには、達成しやすい目標を設定することが大切です。

人間は、ゴールがあまりにも遠いとやる気が起こりません。しかし、あと少し何かをするだけで目的が達成できると分かれば、行動を起こしやすくなるものです。

たった12分のゆるやかなウォーキングでも代謝の変化があるなら、続けられる人も多いのではないでしょうか。「駅まで歩いて通勤する」「ランチのあとに散歩する」など、軽めの運動なら日常生活に取り入れられるはずです。

生活習慣病の予防に効果的な運動とは?

群馬県の中之条町では、生活習慣病の予防のために効果的な運動の研究が行われました。

ウォーキング+中強度の運動

1日8000歩+中強度の運動20分を行うと、生活習慣病を予防できることが明らかになりました。

群馬県の中之条町で行われた「中之条研究」による結果です。

▼中之条研究で分かったこと

・1日8000歩+中強度の運動20分で生活習慣病を予防できる
・12000歩以上歩くと健康に悪影響が出る可能性がある

生活習慣病を予防するためには、ある程度しっかりとした運動が必要ということ。しかし、運動習慣のない人には少しハードルが高く感じてしまうかもしれません。

病気の予防や肥満予防のためには、まずは自分の平均的な歩数を把握し、少しずつ歩数を増やしていくことが大切です。小さな積み重ねが結果につながるので、まずは無理なく続けられる運動から習慣化を目指してみてください。

ウォーキングの歩数で予防できる病気

無理に8000歩以上歩かなくても、2000歩以上から健康効果が期待できます。

メンタルの不調やうつ病が気になる人は4000歩以上がんや骨折を予防したい人は7000歩以上を目標にしてみてください。高血圧や糖尿病などの生活習慣病予防は、8000歩以上が目標です。

12,000歩以上歩くのは健康に悪影響といわれる一方で、肥満の改善には12,000歩以上歩くのが効果的という説もあります。肥満を改善したいなら、12,000歩を目標に少しずつ歩数を増やしていくといいでしょう。

運動の習慣化で最も大切なことは、低いハードルを設定して継続できるモチベーションを保つこと。高強度の運動1回よりも、短時間のゆるやかな運動の継続が目標達成への近道です。

短時間のウォーキングを毎日続けてみよう

ほとんど家から出ないで体重が増えてしまったなら、1日5分でも外に出てみましょう。

簡単なことでも、行動することが大きな一歩です。毎日続けられるような運動を習慣化すれば、ダイエットや健康のための目標を達成しやすくなります。

短時間のウォーキングでも代謝アップの効果が期待できるので、まずは12分歩くことから始めましょう。運動に少しずつ慣れてきたら、生活習慣病予防に効果的な8000歩+中強度の運動20分にもチャレンジしてみてください。

この記事を書いた人 医師 山下あきこ

1974年、佐賀県生まれ。二児の母。内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医、医学博士。アメリカ神経学会会員でもある。1999年…

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