座りっぱなしで死亡リスクが上がる?デスクワークの解決方法とは?
「テレワークで歩かなくなった」「デスクワークだから座りっぱなし」という人も多いのではないでしょうか?
実は多くの研究によって、座りっぱなしによる死亡リスクの上昇が示されています。在宅ワークで通勤がなくなった、1日中デスクワークでほとんど立ち上がらないという人は注意が必要です。
この記事では、座りっぱなしの死亡リスクについて医師が詳しく解説します。仕事でやむを得ず座りっぱなしになってしまう人の簡単な対処法も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
座りっぱなしは死亡リスクが上昇する
座る時間が2時間長くなると、死亡リスクが15%上昇することが分かりました。
この研究は「京都府立医科大学」のグループが日本人6万人を7.7年間観察した研究で、信頼性が高く日本人にとって参考になるデータといえます。2021年6月に、アメリカ心臓学会で発表されました。
さらに、死亡リスクの上昇は余暇の運動量を増やしても抑制されませんでした。
運動は、健康を維持するためにとても大切なこと。しかし平日に長時間座っている人は、土日に運動したとしても死亡リスクが改善されないのです。
座りっぱなしが健康によくない理由
長時間座りっぱなしでいることは、立ったり歩いたりしているときに比べて筋肉を動かすことが極端に少なくなります。
また、太ももには大きな血管が走っていますが、座っていると血管を圧迫し、血流が悪くなってしまうのです。「筋肉を長時間使わない」「血管が圧迫される」の2つが要因となり、健康を害してしまいます。
座りっぱなしが有害というデータは多くある
▼座りっぱなしが有害というデータ ・1日9時間以上座りっぱなしの成人は、7時間未満の人と比べて、糖尿病リスクが2.5倍アップ(2018年・明治安田厚生事業団体力医学研究所の調査) ・1日11時間以上座る人は、4時間未満の人と比べて、死亡リスクが40%もアップ(2021年シドニー大学の研究) ・座り過ぎによる死亡が世界で200万人もの死因になっている(2011年WHO) |
デスクワークの座りっぱなし対処法
座りっぱなしは健康によくないと分かっていても、仕事の都合でやむを得ず座りっぱなしになってしまう人も多いはず。しかし、デスクワークの人でも工夫すれば死亡リスクを下げられることが分かっています。
30分に1回立ち上がるのが効果的
デスクワークの人は、30分に1回立ち上がることを心がけましょう。
コロンビア大学の研究によると、最も死亡率が低かったのは「座って作業する時間が30分未満」のグループでした。逆に、最も死亡率が高かったのは「1日に合計12.5時間以上座って過ごす」「1度に30分以上座ることを繰り返す」というグループです。
長時間座ったまま仕事をしている人は、30分に1回立ち上がることで健康状態を改善できる可能性があります。タイマーなどを利用して、こまめに立ち上がる習慣を身に着けましょう。
スタンディングデスクもおすすめ
立ちっぱなしでデスクワークができる「スタンディングデスク」の導入もおすすめです。
私がデスクワークをするときは、机の上に置くタイプのスタンディングデスクを使用しています。広めのスタンディングデスクを選ぶと、書類なども置く場所ができて便利です。
日頃からノートパソコンを使っている人は、視線が下がって姿勢が悪くなりがちなので要注意。スタンディングデスクだけでなく、パソコンスタンドも合わせて使うことで眼、肩、腰への負担を軽減できます。
座りっぱなしは死亡リスクが上がる!こまめに立ち上がろう
座りっぱなしによる死亡リスク上昇は、多くの研究によって明らかにされています。
デスクワークの人もできるだけこまめに立ち上がり、座りっぱなしの時間を短くするようにしましょう。「30分に1回立ち上がる」「座りっぱなしを減らす」ことを意識すれば、死亡リスク上昇は避けられます。
在宅ワークなら、思い切ってスタンディングデスクに変えてしまうこともおすすめです。既にデスクを購入してしまった人は、卓上タイプのスタンディングデスクを取り入れることも検討してみてください。