フラボノイドが認知症を防ぐ?認知症の予防に効果的な食べ物とは?
「物忘れが多くなってきた……」「脳の老化を防ぎたい……」など、認知症を予防したいと考えている人が多いのではないでしょうか。
実は、アメリカの研究で「フラボノイド」が豊富な食材を食べると認知症を予防できる可能性があると発表されました。認知症や脳の老化を予防したい人は「フラボノイド」が豊富な野菜や果物を食べるのが効果的です。
この記事では、米ハーバード公衆衛生大学院の論文をもとに「フラボノイドの認知症予防効果」について分かりやすく解説します。フラボノイドが豊富な野菜や果物についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
フラボノイドとは?
フラボノイドとは、野菜や果物などに含まれるポリフェノールの一種です。
ポリフェノールは抗酸化物質なので、老化の大きな原因となる酸化が進むのを予防します。認知症も、身体の酸化が1つの原因です。
フラボノイドは野菜や果物に多く含まれ、バランスよく摂ることで認知症予防や健康増進の効果が期待できます。
ただし、いくらフラボノイドを摂取するのがいいからといって、特定の野菜や果物ばかり食べ続けるのはNG。野菜や果物には糖質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が多く含まれているので、摂りすぎが身体によくないこともあります。
バランスよくフラボノイドを摂取するためには、1つの食材にこだわらず、さまざまな野菜や果物を食べることが大切です。日頃から栄養バランスを整え、認知症や老化につながる身体の酸化を防ぎましょう。
フラボノイドが認知症リスクを低下する
野菜や果物に多く含まれるフラボノイドは、認知症リスクを20%低下させる可能性があります。
米ハーバード公衆衛生大学院のTian-Shin Yeh氏らは、「フラボノイド摂取と認知機能低下の関連」について研究しました。
▼フラボノイド摂取と認知機能低下に関する研究 ・アメリカの女性約5万人と男性約2万7000人が対象 ・「フラボノール」「フラボン」など7種類のフラボノイド摂取量を調査 ・フラボノイド摂取量によって参加者をグループ分け ・グループごとに認知症の症状を調査 |
研究の結果、フラボノイド摂取量が最も多いグループでは、約20%も認知症リスクが低いことが分かったのです。最も多くフラボノイドを食べたグループは1日あたり平均600mg、最も少ないグループは1日あたり平均150mgを摂取していました。
認知症の予防に効果的な食材
フラボノイド は、赤や黄色の野菜・果物に多く含まれます。
野菜や果物に含まれる食物繊維やビタミンは、認知症だけでなく生活習慣病やがん等の予防にも効果的です。日本国民の野菜摂取量は目標に届いていないので、健康のためにも積極的に食べるようにしましょう。
フラボノイド豊富な野菜
▼フラボノイドが豊富な野菜 ・タマネギ ・ケール ・サニーレタス ・ブロッコリー ・モロヘイヤ ・ナス ・赤シソ ・赤キャベツ ・赤玉ねぎ |
タマネギは、フラボノイドの一種「ケルセチン」が豊富な野菜です。ケールやサニーレタス、ブロッコリーなどにも「ケルセチン」が多く含まれます。
ナスや赤シソ、赤キャベツなどの赤い野菜には、フラボノイドの一種である「アントシアニン」が豊富です。ナスの果皮には、ナス特有のアントシアニンとして「ナスニン」が含まれています。
フラボノイドが豊富な果物
▼フラボノイドが豊富な果物 ・イチゴ ・リンゴ ・ナシ ・ブドウ ・みかんなど柑橘類 |
フラボノイドが豊富な果物は、イチゴやリンゴです。
イチゴには100gあたり180mg、リンゴには100gあたり113mgのフラボノイドが含まれます。また、ナシやブドウ、みかんなどの柑橘類なども100gあたり50mg以上のフラボノイドを含む果物です。
黒大豆もおすすめ
野菜や果物ではありませんが、黒大豆もフラボノイドが豊富な食材です。
黒大豆の中でも「クロダマル」という品種は特にフラボノイド含有量が多く、他の品種の2倍以上であることが分かっています。
▼黒大豆の使い方 ・そのままおやつとして食べる ・黒豆茶にして飲む ・味噌汁や煮物料理に入れる ・ご飯に入れて炊く |
黒大豆を煎ってから使うと、水にフラボノイドが溶け出しにくくなるのでおすすめです。黒大豆は食物繊維やタンパク質も豊富なので、ぜひご家庭の食卓に取り入れてみてください。
フラボノイド豊富な食材で認知症を予防しよう!
糖質制限ブームの中、低糖質・高タンパクの食事を意識している人が増えています。
タンパク質に意識が向きすぎて、野菜や果物が不足している人も多く見かけるようになりました。野菜がなぜ身体にいいいのか、理由が分からないと食べる気に慣れないかもしれません。
「フラボノイド」を含む野菜や果物を食べることで、認知症や生活習慣病のリスクを下げられます。自分に必要な食品をバランスよく食べて、いつまでも生き生きとした脳と身体を保ちましょう。