トイレでの感染に要注意!新型コロナウイルスは便の中で長生きする?
新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、気をつけたいのが「公共トイレ」です。
さまざまな研究において、トイレの空気中や便中からウイルスが検出されています。個室で人と接触しないからといって、油断していると感染してしまう可能性があるのです。
今回の記事では、さまざまな論文をベースに「トイレの感染リスク」について解説します。
目次
病院エリア別!新型コロナウイルスの検出率
2020年1月〜10月末までの間、病院の新型コロナウイルス患者に近い環境471ヵ所で空気調査が行われました。
▼新型コロナウイルスのエリア別検出率 ・病室など臨床エリア 8% ・トイレ 24% ・公共エリア 33% |
実は、新型コロナウイルス感染者がいる病室の中よりも待合室スタッフルーム、トイレやバスルームなどで多くのウイルスが検出されたのです。スタッフルームやバスルームではマスクを外してしまうこともあるので、特に気をつけなければなりません。
公共トイレは感染リスクが高い
2020年2月〜3月に武漢の病院で行われたエアロゾルに関する調査によると、空気中における新型コロナウイルスの濃度は患者のトイレエリアで高かったそうです。
各離島や換気のある病室では、空気中の新型コロナウイルス濃度がとても低いことが分かっています。さらに多くの公共エリアではウイルスが検出されませんでしたが、混み合うエリアでは検出されました。
ただし、しっかりと消毒を実施することで、検出できないレベルまでウイルス量を減らせるとも示されています。
新型コロナウイルス感染者が増えている現在においては、病院だけでなく公共トイレも気をつけるべき場所といえるでしょう。
新型コロナウイルスは便中で長生きする
中国の3つの病院で、新型コロナウイルス感染者205人から収集された1070の検体を調査しました。
▼ウイルス検出率 ・咳をしたとき喉からでる痰 72% ・咽頭を拭って採取した液 32% ・便 29% ・尿 検出なし |
また、2人の患者は便中から生きたウイルスが検出されたのです。
中国の病院の研究によると、便中のウイルスは22日間も持続することが分かっています。呼吸器検体は18日間、結成検体は16日間なので、便中のウイルスが有意に長いという結果が示されました。
つばや痰に入っているウイルスほどは多くありませんが、便中にも新型コロナウイルスが排出されていて、しかも長生きなのです。だからこそ、トイレの空気中にはウイルスが多く漂っているといえます。
トイレ個室内でもマスクは外さない
トイレの個室内でもマスクを外さないようにしてください。
トイレの個室に入ったとしても、空気中にウイルスが漂っている可能性があります。また、内鍵や洗浄ハンドルを触った手にも、ウイルスがついている可能性が高いでしょう。
公共トイレを使用したら、必ず石けんで丁寧に手を洗うことが大切です。さらにアルコールで手指の消毒を行うことで、しっかりと感染症を予防できます。
接触なしでも感染する可能性がある
中国の高層マンションでは、接触のない3家族(9人)で感染者が確認されました。
感染者が出た家族は、トイレの配管によって垂直に並んだ部屋に居住していました。煙突と排気口を通じ、ウイルスの存在するエアロゾルが認められたのです。
このように、新型コロナウイルスは接触なしでも感染する可能性があります。「外出していないから」「人と会っていないから」といって油断せず、自宅でもしっかり手洗い・うがいや消毒を徹底しましょう。
トイレでの感染に注意しよう
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するためには、1人ひとりの行動が鍵です。
新型コロナウイルスは便の中に排出されることや、便の中で長生きすることが分かっています。公共トイレの空気中にも多くウイルスが漂っているので、マスクを外さず、使用したら手洗いや消毒を徹底するようにしてください。
感染症の症状で苦しむ人や経済的困難、活動の制限などで困る人をこれ以上増やさないために「今自分にできることは何か」考えて行動しましょう。1人ひとりが感染症対策を徹底すれば、いずれは収束して「今まで通りの暮らし」に戻れるはずです。