プロテインを飲む効果的なタイミングとは？筋肉増加と時計遺伝子の関係

「プロテインはいつ飲めばいい？」「効率よく筋肉を増やしたい！」と考えている人が多いのではないでしょうか。

インターネットメディアやSNSなどで情報を調べると、人によって意見が異なるもの。ダイエットやボディビルなど目的によって飲み方も異なるため、どの情報を参考にすればいいか分からなくなってしまいますよね。

そこで今回は、長崎大学と早稲田大学の研究から「プロテイン摂取のタイミングと筋肉増加の関係」について分かりやすく紹介します。健康のためにプロテインを取り入れようと思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。

筋肉増加に効果的なプロテインのタイミング

プロテインというと「プロテインドリンク」をイメージする人が多いかもしれません。しかし実際には、プロテインとは「タンパク質」全般のことを指します。

長崎大学と早稲田大学は「毎日の食事におけるタンパク質摂取のタイミングと骨格筋肥大の関係」について論文を発表しました。マウスとヒトの実験により、時計遺伝子が筋肉増加に関わっていることが分かったのです。

プロテインを飲むなら「朝」が効果的

筋肉を増やすために効果的なプロテイン摂取のタイミングは「朝」です。

2021年7月、長崎大学と早稲田大学の研究結果が学術雑誌「Cell Reports」に発表されました。高齢女性を対象に行った、食事中のタンパク質分布と骨格筋量に関する研究です。

▼研究対象のグループ ・タンパク質を3食均等に摂るグループ ・タンパク質を夕食に多く摂るグループ ・タンパク質を朝食に多く摂るグループ

1日に摂取する総タンパク質量について、グループ間で有意差はありません。また、身長、体重、BMI、食事摂取量について有意差はなく、身体活動レベルも同等です。

研究の結果、骨格筋指数・握力は「朝食に多く摂る」グループが有意に高くなりました。このことから、筋肉量を増やすためには「朝」にプロテインを摂るのが効果的といえます。

筋肉増加に関わる「時計遺伝子」

長崎大学と早稲田大学は、筋肉増加と時計遺伝子に関するマウスの実験を行いました。

マウスに1日2食与え、朝と夕のタンパク質配分を変えて飼育します。すると、朝にタンパク質を摂取したマウスの筋肉量が最も増えていました。

しかし、時計遺伝子の1つであるBMAL1遺伝子をノックアウトしたマウスでは、筋肉量の増加が見られなかったのです。このことから、筋肉増加は時計遺伝子と関連することが分かりました。

筋肉増加に効果的なプロテイン（アミノ酸）の種類

骨格筋の合成を活性化させるためには、BCAA（分岐鎖アミノ酸）の摂取が効果的です。

▼BCAA（分岐鎖アミノ酸）の種類 ・バリン ・ロイシン ・イソロイシン

とくに「ロイシン」は、筋肉増加の作用が強いことが分かっています。逆に、牛乳の「カゼイン」に含まれるアミノ酸では、筋肉増加に対する作用は得られませんでした。

朝食にタンパク質を食べよう

「朝食を食べない」「朝食は糖質のみ」という人がほとんどなのではないでしょうか。しかし将来のQOLを高めるためにも、朝食にタンパク質やプロテインドリンクを摂ることが大切です。

朝食で「肉・魚・卵・大豆」を摂るのがおすすめ

朝食が炭水化物中心になっている人は、肉・魚・卵・大豆を意識して食べるようにしましょう。

農林水産省のデータによると、朝食を食べない日本人は年々増加しています。特に20〜30代の男性においては、約30％が朝食を摂っていません。

しかし朝食を食べないとエネルギーが不足して、仕事や勉強などのパフォーマンスが落ちてしまいます。脳のエネルギー源になるブドウ糖はもちろん、筋肉を作るタンパク質を摂ることも大切です。

忙しいときは「納豆」「サバ缶」「ツナ缶」など簡単に食べられるものでOK。栄養の補助として「プロテインドリンク」を朝食にプラスするのも効果的です。

骨粗しょう症やフレイル予防に役立つ

朝食でタンパク質を摂る習慣をつけると、筋肉が増加して疲れにくい身体になります。

さらに将来の「骨粗しょう症」や「フレイル」の予防にも効果的です。目先のボディメイクだけでなく、将来のQOLを上げるためにも、朝食にタンパク質をしっかり摂りましょう。

プロテインを飲むタイミングは「朝」が正解！

栄養は量だけでなく、摂るタイミングも非常に重要です。

とくにタンパク質は、朝に多く摂ることで筋肉を効率よく増加してくれます。プロテインドリンクをいつ飲むか迷っている人は、朝食の補助として飲むのがおすすめです。

筋肉増加はダイエットだけでなく、将来の健康的な身体を保つために役立ちます。今まで朝食を抜いていた人も、ぜひ美容と健康のために朝のタンパク質を取り入れてみてください。