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職場の人間関係をよくする方法とは?繰り返し会うと好感度が上がる?

テレワークやリモートワークが広がり、私たちはとても自由に働きやすくなりました。

しかし、職場の仲間と会う機会が減り、コミュニケーション不足になっている人も多いのではないでしょうか?

そこで今回の記事では、コミュニケーションを円滑にするコツを紹介します。メールやメッセージ、短時間のオンライン会議でもできる方法なので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

目次

職場の人間関係をよくするミーティング頻度

職場の人間関係をよくするためには、短時間のミーティングをこまめに行うのが効果的です。

2週間に1度の長い会議よりも、短時間のミーティングを毎日行う方が人間関係を良好にすることが分かっています。ある実験では、白人種の参加者に黄色人種の写真を繰り返し見せると、黄色人種への好感度が上がったそうです。

これは仕事だけでなく、家族や友人関係でも同じ効果が得られます。特定の人と120分間会うとしたら、1回で120分間会うよりも、10分ずつ12回会う方が仲良くなれるのです。

職場で好感度を上げる方法

職場の仲間の好感度を上げたいときは、頻繁にコミュニケーションを取るのがおすすめです。さらに表情や話す内容にも変化をつけることで、職場の人間関係はよくなっていきます。

繰り返し会うと好感度が上がる

職場で好感度を上げたいなら「単純接触効果」を上手に活用するのがおすすめ。

「単純積極効果」とは、アメリカで活躍した社会心理学者ロバート・ザイアンスによって1968年に取り上げられた効果です。あるものに繰り返し接触することで、好感度が上がります

繰り返し流れるCMを毎日眺めていると、最初は気にもとめなかったのに、気づいたら興味が湧いてきた経験はないでしょうか?ドラマの主題歌がだんだん好きになったり、毎日利用するコンビニの店員さんに親近感が湧いたりするのも「単純接触効果」によるものです。

表情豊かにすると心の距離が近づく

職場の人と会う回数を増やしたら、表情豊かに接するように心がけましょう。

同じ人物のさまざまな表情を見ると、同じ表情を何度も見るより高感度が上がります。

上司は部下に対して、完璧で強い姿を見せようとするもの。しかし、実際には笑ったり凹んだり、さまざまな表情を見せることで心の距離が近くなるのです。

自分のストーリーを語ると親近感が湧く

職場の人と会話するときは、自分のストーリーを語ってみてください。

Kawakami&Yoshida(2011)は「ジュースをこぼした女性がテーブルを拭く」という一連の流れを写真撮影し、参加者に写真を見せる実験を行いました。

▼実験内容

・「ジュースをこぼした女性がテーブルを拭く写真」を時系列に並べて見せる
・「ジュースをこぼした女性がテーブルを拭く写真」をランダムに見せる
・「ジュースをこぼした女性の顔の写真」を繰り返し見せる

この実験の結果、潜在的な好感度が上がったのは「写真を時系列で並べて見せたとき」でした。女性の顔写真のみを繰り返し見せたときよりも、行動のストーリーを見せたときの方が好感度が上がりました。

このことから、その人のストーリーを知ることで親近感がわき、単純接触効果による好感度がより高まることが分かります。

ただし、自分語りばかりすると否定的な印象を持たれてしまい、かえって逆効果になってしまうので要注意。相手の話を聞くことを重視した上で、しつこくならない程度に自分のストーリーを伝えてみてください。

職場で苦手な人間関係を克服する方法

もし職場でうまくいかない人間関係があるなら、自分から相手を好きになりましょう

相手の好感度を上げるよりも、自分から相手を好きになる方が簡単なこと。相手とこまめに顔を合わせて表情を知り、相手のストーリーを聞いてみると、自然と「意外と嫌な人じゃないかも」と思えるはずです。

▼苦手な人への声掛け例

・素敵な色のシャツですね
・お休みされていましたが体調はいかがですか?
・事業の立ち上げで苦労したことを教えていただけませんか?

何気ない会話や気遣い、思いやりを増やしていくと、相手への気付きが増えます。お互いを理解するチャンスを増やしていけば、人間関係は改善しやすくなるでしょう。

相手を変えたいなら、まずは自分が変わることから始めてみてください。ちょっとした変化が、人間関係の大きな改善をもたらします。

職場の人間関係をよくするために「単純接触効果」を活用してみよう

職場の人と直接会えるのであれば、こまめに会ってコミュニケーションを取るのがベストです。

しかしテレワークやリモートワークの場合は、オンラインミーティングだけでもよいでしょう。短時間でも顔を合わせて表情豊かに接し、自分のストーリーを適宜語ることで、相手からの好感度アップにつながります。

苦手な人との人間関係も、自分の気持ちや接し方を変えることで改善していくはず。職場だけでなく家族や友人などさまざまな人間関係に応用できるので、ぜひ「単純接触効果」を上手に使ってみてください。

参考:単純接触効果と無意識
この記事を書いた人 医師 山下あきこ

1974年、佐賀県生まれ。二児の母。内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医、医学博士。アメリカ神経学会会員でもある。1999年…

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