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生活習慣病に効果的な運動とは?ランニングとウォーキングならどっち?

「運動不足を解消したい」「健康のために運動習慣を身に着けたい!」と考えている人も多いのではないでしょうか?

しかし、家庭や仕事に追われる毎日の中で、ツラい運動はなかなか続けられないもの。とくに運動が苦手な人は、できるだけ楽な運動を継続していきたいですよね。

そこで今回は、生活習慣の予防に効果的な運動について紹介します。ランニングかウォーキングか、健康のためにどちらを選べばいいか迷ってる人も参考にしてみてください。

目次

生活習慣病の予防に効果的な運動方法

生活習慣病の予防には、ランニングやウォーキングなどの有酸素運動を行うのが効果的です。

アメリカの研究者であるPaul Williamsらは、4万人以上を対象にした大規模な調査を6年かけて行いました。ランニングする人とウォーキングする人を対象に運動量と食事の内容、体重の変化や生活習慣病の発症率などを調べた研究です。

大規模研究の結果、有酸素運動は心筋梗塞や糖尿病、高血圧や脂質異常症などの発症リスクを減少させる効果があることが分かりました。さらに、ランニングとウォーキングを比較すると、どちらもほぼ同様の効果が得られたのです。

生活習慣病の予防に効果的な運動頻度

研究によると、有酸素運動を週に何回行うかで異なる結果が得られました。では、生活習慣病を予防するためには、どれくらいの頻度で有酸素運動を行えばよいのでしょうか?

運動頻度が多いほど予防効果が高い

生活習慣病のために有酸素運動を行うなら、できるだけ高頻度で行うのが効果的です。

いずれの疾患についても、週に有酸素運動を行う回数が多いほど予防効果が高いことが明らかになりました。

高血圧の発症リスクは、運動頻度が高ければ高いほど低下します。とくに、ウォーキングの回数が増えるほど予防効果が高くなることが明らかになりました。

また、脂質異常症のリスクについても同様の結果が得られています。脂質異常症については、ランニングとウォーキングでほぼ同様の予防効果が得られるようです。

糖尿病リスクは少しの運動頻度でも下がる

糖尿病については、有酸素運動の頻度が少なくても、発症リスクを半分近くに減少させることが分かりました。

ランニングでもウォーキングでも、週に1〜2回行うだけで糖尿病リスクを半減できるのです。「甘いものが好き」「白米やパンなど主食が好き」という人は、将来の健康のためにも少しずつ有酸素運動を始めるとよいでしょう。

運動で生活習慣病リスクはどれくらい下がる?

有酸素運動によって、生活習慣病のリスクは4〜12%ほど減少できます。

▼生活習慣病リスクを低下させる割合

・高血圧
 ランニング 4.2%減
 ウォーキング 7.2%減  
・脂質異常症
 ランニング 4.3%減  
 ウォーキング 7%減 
・糖尿病 
 ランニング 12.1%減  
 ウォーキング 12.3%減 
・心臓病 
 ランニング 4.5%減  
 ウォーキング 9.3%減

それぞれのリスク低下割合を見ていくと、ウォーキングの方が生活習慣病の予防効果が少し高い結果となりました。

ランニングとウォーキングならどっち?

ランニングとウォーキングの生活習慣病に対する予防効果を比較すると、ウォーキングの方が若干優位であることが分かりました。

しかし、必ずしもランニングの方がメリットが少ないわけではありません。どちらも生活習慣病を予防する効果はあるので、自分が心地よく続けられる方を選択するのがベストです。

ランニングのメリット

ランニングは運動強度が高く、心拍数が上がることで心肺機能が高まります

心拍数が上がることで、脳機能を活性化させる効果も期待できるでしょう。

さらに、体重を減量させるために行う有酸素運動なら、ランニングの方が明らかに効果的です。走るのが好きで、ランニングをウォーキングと同じくらいの時間行えるのであれば、ランニングでも十分な効果が得られるといえます。

ウォーキングのメリット

ウォーキングはゆるやかな運動強度なので、運動が苦手な人でも続けやすいのがメリットです。

さらに、運動強度が高くキツいランニングよりも、ウォーキングの方が生活習慣病リスクを下げる効果が少し高い結果となっています。

ランニングでもウォーキングでも、とにかく継続することが大切です。有酸素運動の種類は、ライフスタイルや好みに併せて心地よい方を選ぶとよいでしょう。

無理のない運動を続けて習慣化しよう

軽いウォーキングでも生活習慣病の予防効果があるなら、少しくらいは歩いてみようという気持ちが出てくるのではないでしょうか?

運動が苦手な人でも、ゆるやかなウォーキングを一生続けていけば健康的で美しい身体を保ちやすくなります。もちろん、運動が好きな人ならランニングでもOKです。

少しずつ、無理のない範囲で継続していくことが習慣化の鍵。「ひと駅手前で歩く」「歩いて買い物に行く」など、簡単にできるところから運動習慣を身に着け、慣れてきたらランニングにもチャレンジしてみてください。

参考:Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2013 May; 33(5): 1085–1091.
この記事を書いた人 医師 山下あきこ

1974年、佐賀県生まれ。二児の母。内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医、医学博士。アメリカ神経学会会員でもある。1999年…

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