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運動量が少ない方はサルコペニアに注意!原因や防ぐ方法を解説

みなさんは「サルコペニア」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。おそらく「なにそれ?」「何かの病気?」と疑問に思う方のほうが多いはずです。

サルコペニアは40代に入ると誰にでも起こる可能性がある症状で、ふらつきや寝たきりの原因につながるので注意が必要。

今回はサルコペニアの原因や症状、予防法などについてご紹介します。40代以降もアクティブに過ごしたい方はぜひサルコペニアについて知っておいてください。

目次

30代後半から注意すべきサルコペニアとは

サルコペニアは2016年10月以降に国際疾病分類に登録された疾患です。比較的最近になって疾患に位置付けられたため、ご存知ない方は多いかもしれません。

それではサルコペニアとはどんな疾患なのか、かかるとどんな症状が出るのかについて説明していきます。

加齢による筋肉量の減少・筋力の低下のこと

サルコペニアとは、加齢による筋肉量の減少や筋力の低下のことです。症状のひとつにふらつきがあり脳の病気を疑う方が多いですが、サルコペニアの場合は脳ではなく筋肉や筋力に原因があります。

65歳以上の高齢者の約15%程度がサルコペニアの診断を受けていますが、筋肉は40代から萎縮のスピードが上がるため、30代後半からサルコペニアにならないよう予防が必要です。

また、ここ2年ほどで筋力の低下による症状を訴える患者が増えており、これは外出する機会が減っていることが関係していると考えられます。

日常生活で筋肉を使う機会が極端に減ると、ますます筋肉の萎縮スピードは上がり、サルコペニアになるリスクは高まるので注意が必要です。

サルコペニアになると出やすい症状

サルコペニアになると日常生活に支障が出るだけでなく、寝たきりになるなど介護が必要になるケースも出てきます。

サルコペニアの症状は、

  • 足元がふらつく
  • 転びやすくなる
  • 歩くスピードが遅くなった
  • 手すりにつかまらないと階段を上がれない

などが代表的です。

サルコペニアの場合、いきなり症状がひどくなるのではなく徐々に重症化していきます。そのため、「前より筋力が低下しているかも」と感じたら、すぐにトレーニングで予防したほうが良いです。

サルコペニアを防ぐには自宅でできるトレーニングがおすすめ

サルコペニアを防ぐには、30代後半から体を意識して動かすことが重要です。運動習慣がない場合は、自宅で簡単にできるトレーニングを行うと良いでしょう。

本来は筋トレを行うのが効果的ですが、本格的なトレーニングは継続しにくいため、これからご紹介する2つの簡単トレーニングがおすすめです。

1.階段のぼり

ハードな筋トレやスクワットをやらなくても、階段を積極的に使うようにするだけでもトレーニングになります。

自宅の中に階段があれば1日に数回のぼり降りを繰り返しましょう。マンションなどにお住まいの方は、部屋まで上がる際にエレベーターを使わないようにするだけで効果があります。

さらにショッピングモールなどへ外出した際にも、エレベーターやエスカレーターを極力使わないようにすると下半身の筋肉が鍛えられるのでおすすめです。

2.かかと上げ

テレビを見ながらかかと上げを行うのも、サルコペニアの予防に有効です。かかと上げは血液の循環が良くなり冷え性を防げるだけでなく、体幹を鍛えられるので腰痛や姿勢の崩れも防げます。

かかと上げはかかとを上げる、下げるを10回行うのを1セットとし、隙間時間を使ってできるだけたくさんのセット数行いましょう。

サルコペニア防止には食事改善もおすすめ

サルコペニアを防ぐには運動以外に食事改善もおすすめなので、改善のポイントもご紹介しておきます。

たんぱく質を積極的に摂るのがコツ

筋肉は水分を除くと約80%がたんぱく質からできているため、筋肉量を増やすにはたんぱく質を含む食材を積極的に食べると良いです。

たんぱく質は、

  • 肉類
  • 魚介類
  • 卵類
  • 大豆製品
  • 乳製品

などに多く含まれています。

おすすめの摂取方法

毎日の食事にバランス良くたんぱく質を摂るのが良いですが、忙しい日々を送る方だと続けるのは難しいかもしれません。

ゆっくりメニューを考える時間が取れないときは、サラダにツナ缶を入れたり、シャケの切り身を食べるだけでもたんぱく質は摂取できます。

簡単に食べられるものを選ぶことが、サルコペニア防止のための食事改善を継続するコツです。

サルコペニアかも?と感じたらセルフチェックを

サルコペニアかもと感じたら、病院に行く前にまずはセルフチェックを行ってみてください。

セルフチェックの結果サルコペニアの可能性が高いと判明したら、運動や食事を工夫して症状が改善されるか見ていきましょう。

サルコペニアのセルフチェック方法

  1. 両手の親指と人差し指で輪を作る。
  2. 利き足ではないほうのふくらはぎの一番太い部分に輪を当てる。

結果

  • 囲めない・・・サルコペニアの可能性は低い
  • ちょうど囲める・・・サルコペニアの可能性が少しある
  • 隙間ができる・・・サルコペニアの可能性が高い

運動を習慣化させてサルコペニアを予防しよう(まとめ)

40歳を過ぎると筋肉の萎縮スピードは早くなるため、30代後半になれば誰にでもサルコペニアになる可能性はあります。

40代、50代になっても健康的な毎日を送るために、30代後半から体を動かすことを意識しましょう。運動を習慣化させてサルコペニアを予防しましょう。

この記事を書いた人 医師 山下あきこ

1974年、佐賀県生まれ。二児の母。内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医、医学博士。アメリカ神経学会会員でもある。1999年…

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