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他人のことが気になるのはどうして?ストレスを感じたときの対処法

「同僚の考えていることが気になる!」
「ママ友がどんな生活を送っているのか気になる!」

知ったところでどうするわけでもないけれど、他人のことが気になるときってありますよね。

しかし、他人のことばかり気にしているのも案外疲れてしまうもの。では、どうしたら他人のことが気にならなくなるのでしょうか?

目次

他人のことが気になるのはどうして?

知ったところで何かあるわけでもないのに、どうして他人のプライベートをのぞき見したくなってしまうのでしょう。

実は、週刊誌やワイドショーのように他人の秘密を暴くことで、私たちは快楽を得てしまうことがあるのです。

優越感を感じられるから

私たちは他人のプライベートな情報を持っていると、相手よりも優位になったような錯覚に陥ることがあります。

相手の弱みを握った気分になり、優越感に浸って、良い気分が味わえるのです。

すると、次第に「もっと詳しく知りたい」「別の人のことも気になる」など、さらに他人の秘密を暴いて良い気分を味わいたくなります。

脳の「報酬系システム」による働き

自分が知っている情報を人に話すと、興味を持った友人たちとの会話が盛り上がりますよね。

情報を持っている自分は、会話の中心。まるで自分に注目が集まったような気分になるので、さらに快感が得られるのです。

▼他人の情報で快感が得られるプロセス

1. 他人の秘密をつかむ 
2. 弱みを握って優越感に浸れる
3. 人に話して一目置かれる
4. さらにいい気分になる

実は人間だけでなく、動物もこれに似たような行動が見られます。

▼動物の似たような行動

1. 食べ物を見つける
2. いい気分になる
3. 仲間に分け与えて一目置かれる
4. さらにいい気分になる

これらの行動は、何か行動を起こすと快楽が得られるという、脳の「報酬系システム」に当てはまります。

脳は「報酬系システム」を記憶するので、「自分の心が満たされないときは、他人のプライベートを暴くと気分がよくなる」という行動が癖になってしまいます。

他人のことが気になるときの対処法

どうしてもやめられない情報収集の中で、役に立ったものがどの程度あるでしょうか。

その情報を知らなかったら、どれくらい困ってしまうでしょうか。

よく考えると、世界中の重大なニュースでさえ、知らなくても大して生活に影響しません。それなら、他人のプライベートな情報がどれほど価値の低いものか理解できるはずです。

相手に対して思いやりを持つ

他人が気になるとき、興味本位でプライベートな質問をしていませんか?

「お子さんはどこを受験させるの?」
「ご主人のお仕事は?」

質問することが悪いわけではありません。しかし、質問する前に一旦立ち止まり「相手はどんな気持ちになるか?」「答えたくないことではないか?」と考えてみてください。

相手への思いやりを持ち、冷静になってから言葉にすることを心がけましょう。

思いやりがあれば、相手の気持ちに寄り添って会話できるので、不快な思いをさせることなく良好な関係性が築けます。良好な人間関係は心を満たしてくれるので、他人が気になる気持ちも薄れていくでしょう。

スマホを手放す

たまにはスマホを手放して、SNSや通知にとらわれない時間を作ってみてください。

人間は1日あたり、平均6万回も思考しています。ぼーっとしているようでも、仕事や家庭、過去や未来のことをぼんやりと考えているものです。

ただでさえ思考しているのに、他人のことまで考えて、さらにスマホの通知に気を取られていたら、脳は相当なエネルギーを使うはず。「スマホがないと不安」「イライラする」といったスマホ依存はメンタルに悪影響を与え、睡眠障害や集中力の低下にもつながります。

スマホを手放して脳の働きをシンプルにすることで、ストレスや疲れがたまりにくく、ハッピーな気持ちになれます。スマホにとらわれ、他人の情報を得るために時間とエネルギーを浪費するのはやめましょう。

「いまここ」にある幸せを大事にしよう

自分自身がハッピーで満たされた状態なら、他人のことはそれほど気にならないもの。

「いまここ」にある幸せを思い浮かべ、1つひとつ書き出してみてください。自分のいいところ、恵まれていること、よかったこと、達成したこと、感謝したいことなど……細かく書き出すと、多くの幸せに気づけるはずです。

自分が持っている素晴らしさに気づくと、他人のプライベートを暴くよりも、もっと大きな喜びが得られます。他人に対しては思いやりを持ち、ときに脳を休ませることで「気にしない」メンタルを養いましょう。

この記事を書いた人 医師 山下あきこ

1974年、佐賀県生まれ。二児の母。内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医、医学博士。アメリカ神経学会会員でもある。1999年…

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