「https://mindful-health.co.jp/info/wp-content/uploads/2022/10/copernico-p_kICQCOM4s-unsplash.jpg」のアイキャッチ画像 オフィス環境に最適な色とは?自然を取り入れると会社の業績がアップする?

オフィス環境に最適な色とは?自然を取り入れると会社の業績がアップする?

オフィス移転や模様替えを行うとき、どのようなデザインにするか迷うことがありますよね。

実はオフィス環境の「色」や「デスク配置」などによって、従業員の幸福度や生産性が高まり業績アップにつながることが分かっています。せっかくオフィス環境を一新するなら、業績向上につながるデザインを取り入れてみませんか?

そこで今回は、Dr.あきこが「幸福度アップにつながるオフィス環境」について解説します。健康的で豊かな会社に変えていきたい方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。

目次

オフィス環境に最適な色とは?

オフィス移転や模様替えをするときは、インテリアに「緑色」を取り入れるのがおすすめです。

オフィス環境に「緑色」を取り入れることで、従業員の幸福度や生産性アップ、創造性の向上につながることがわかっています。

オフィスに「緑色」があると幸福度や生産性が高まる

オフィスに「緑の植物」「自然光」など自然環境があると、幸福度・生産性・創造性が高まることが分かっています。

▼オフィス環境に「自然」を取り入れると……

・幸福度 15%アップ
・生産性 6%アップ
・創造性 15%アップ

「緑」「青」「茶」などアースカラーは、とくに創造性の向上につながるようです。

とあるコールセンターでは、窓から自然の景色が見えるようにデスクの位置を変えました。すると電話応対の処理能力は6%上がり、1人あたり約3,000ドルの利益を生み出したそうです。

人間は自然とつながりたい本能がある

1984年、生物学者のエドワードウィルソンは「人間は自然とつながりたいという、本能的な欲求がある」と言っています。

しかしながら、国連の発表によると人口は都市部に集中する傾向が続いているそうです。2030年には、人口の60%が都市部に移動するのではないかといわれています。

さらに、世界中のオフィスの58%には植物がありません。47%のオフィスは、自然光が入らない環境であることも分かっています。

「バイオフィリックデザイン」のオフィスが増えつつある

世界中のオフィスの半数近くに自然環境がない一方で、近年では自然の要素を取り入れた「バイオフィリックデザイン」を導入するオフィスも増加しています。

バイオフィリックデザインを取り入れたオフィスは、白がグレーだけの無機質なオフィスに比べてストレスの度合いが低いことが分かっているそうです。また、ストレスを受けたとしても早く回復することも分かっています。

もし、これからオフィスの移転や模様替えを検討しているのであれば「バイオフィリックデザイン」を取り入れてみるのがおすすめです。従業員の幸福度やパフォーマンスが向上することで、結果的に会社全体の利益アップにつながると考えられるでしょう。

自然の中で過ごすと注意力が回復する

あなたは、日常生活や休日のひとときに「自然」の中で過ごす時間がありますか?

実は、人間は「自然」の中で過ごすと注意力が回復するといわれています。集中力や注意力が散漫になってしまう方は、積極的に「自然」の中で過ごすことを意識してみてください。

心理学者が提唱する「注意回復理論」とは?

1980年代、心理学者のレイチェル カプラン&スティーブン カプランは「注意回復理論」を提唱しました。

「注意回復理論」とは、ヒトは自然の中で過ごすと注意力が回復し、より集中できるようになるという理論です。

カプランは、2つのグループに「数字を逆唱するゲーム」を行わせます。一方のグループには途中で植物園を歩かせ、もう一方のグループには繁華街を歩かせたそうです。

すると、植物園を歩きながら「数字を逆唱するゲーム」を行ったグループの方が20%も良い結果が得られました。このことから、自然の中で過ごすと注意力が回復して集中力が上がることが分かったのです。

オフィスでも集中力が減ってきたときに自然の力が役立つ

どのような作業でも、ひとつのことを長時間行っていると集中力が低下します。

一方、自然の中は五感が働きやすいひとときです。一点集中よりも五感に身を任せて「見えるもの」「聞こえる音」「肌の感覚」などを自由に感じ取れる状態になることで、注意力が回復して集中力が向上すると考えられるでしょう。

仕事中は自然の中に行くのが難しくても、ふとした休憩時間に五感を働かせることは可能です。オフィスの観葉植物を見たり、窓を開けて風を感じたり、外を少し歩いて季節の花の香りを感じたり……自然環境に触れながら五感を働かせることで、休憩後のパフォーマンス向上につながるかもしれません。

オフィス環境に緑や自然を取り入れよう

従業員のパフォーマンス向上や会社の利益アップを目指したいなら、オフィス環境に自然を取り入れてみてください。

窓から外の木々が見えるようなデスク配置にしたり、自然光を取り入れるだけでも生産性向上につながります。身近に自然がない環境ならデスク周りに観葉植物を置いたり、インテリアやオフィス用品に「緑」「青」「茶」などアースカラーを選ぶだけでもOKです。

オフィス環境のちょっとした工夫が、健康で幸福度の高い会社づくりに役立ちます。オフィス移転や大幅な模様替えを行うなら、より多くの自然に囲まれる「バイオフィリックデザイン」を取り入れるのもおすすめです。

Dr.あきこは内科医と産業医の経験を生かした「健康経営サポート」を行っています。健康増進の取り組みの監修や、メンタルヘルス研修などをお考えの方はこちらをチェックしてみてください。

この記事を書いた人 医師 山下あきこ

1974年、佐賀県生まれ。二児の母。内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医、医学博士。アメリカ神経学会会員でもある。1999年…

関連する記事