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お岩さんの目の腫れは病気?帯状疱疹の治療法や予防法・ワクチンの効果とは

日本のお化けといえば、目の上が腫れ上がった女性の幽霊「お岩さん」を連想する方も多いのではないでしょうか。

お岩さんが登場する物語「四谷怪談」を詳しく見ていくと、どうやらお岩さんの目の腫れは病気だったようです。しかもお岩さんが苦しんだ病気は、現代人でも発症する可能性があります。

そこで今回は、医師のDr.あきこが「お岩さんの目の腫れ」「帯状疱疹」について解説していきます。50歳以上の方はとくに帯状疱疹を発症しやすいので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

目次

お岩さんの「目の腫れ」の理由とは?

日本三大幽霊の1人、お岩さんをご存知でしょうか?

片目の上が腫れ上がったお化け……そんな怖い印象があるかもしれません。しかし実際には、病気が原因で目が腫れてしまった女性の悲しいお話なんです。

お岩さんの「目の腫れ」は帯状疱疹が原因といわれている

四谷怪談で有名な「お岩さん」はどうして目の上が腫れているのでしょうか。

諸説ありますが、お岩さんの目の上の腫れは三叉神経第一枝領域に発症した「帯状疱疹」だと考えられています。帯状疱疹は「水痘・帯状疱疹ウイルス」によって発症する神経と皮膚の症状です。

お岩さんが登場する「四谷怪談」のストーリー

お岩さんは、もとから目が見えない女性でした。

さらにウイルス感染によって片目の上が腫れ、皮が剥げてしまったそうです。その容姿を知らずに結婚した夫は、別の女性と恋仲になって別れたいと思うようになります。

夫は友人に相談すると、お岩さんの方から離縁したいと思わせるような行動をするように勧められます。酒を飲みまくって暴れ、女遊びを繰り返した結果、夫は思惑通りお岩さんから離縁させることに成功したのです。

夫はその後すぐに恋仲の女性と結婚し、4人の子どもをもうけたころ、お岩さんは自分が騙されたことを知ります。騙されて狂乱したお岩さんは姿を消すのですが、それ以降元夫の周りでは不幸なことが次々と起こり、最後には元夫も死んでしまう……というお話です。

ちなみに、お岩さんのモデルになった同じ名前の女性が実在したそうですが、その方は良妻賢母だったといわれています。

お岩さんを苦しめた帯状疱疹ってどんな病気?

お岩さんの目が腫れ上がる原因になった「帯状疱疹」とは、いったいどのような病気なのでしょうか?

帯状疱疹はウイルス感染が原因で起こる病気

帯状疱疹とは、一度感染したウイルスが再活性化することで発症する病気です。

幼い頃にかかった「水痘・帯状疱疹ウイルス」は脊髄近くの神経節に潜んでおり、免疫力が低下すると再活性化して皮膚で炎症を起こします。風邪をひいたときや過労、睡眠不足で弱った身体に追い打ちをかけるようにやってきて、発疹と痛みを感じさせるのです。

神経の走行に沿って発疹が出るので、身体の半身にだけ起こるのが特徴です。身体の中心線を超えて発疹が出ることはありません。

また、皮膚の症状が治って表面がキレイになっても、神経の痛みだけが何年も残ることがあります。そして何度でも再発するという、とても厄介な病気です。

帯状疱疹の治療法とは?

帯状疱疹は治療できる病気で、ほとんどの場合は2週間で回復します。

▼帯状疱疹の治療法

・休養
・塗り薬
・内服薬
・点滴

帯状疱疹を発症しているあいだウイルスがどこにいるかというと、炎症を起こしている皮膚です。皮膚の赤く膨れ上がったり、水ぶくれになったりする発疹の液体の部分にウイルスが滞在しています。

帯状疱疹はうつる?

帯状疱疹は、接触した人に帯状疱疹として感染することはありません。

しかし水ぼうそう(水痘)を経験していない人が接触すると、水ぼうそう(水痘)を発症させることがあります。

乳幼児や妊婦、高齢者など、重症化しやすい人が「水痘・帯状疱疹ウイルス」感染すると大変危険です。重症化すると水痘肺炎や脳炎などを引き起こし、最悪の場合は命を落とすこともあります。

実は筆者のDr.あきこも、20歳の頃に水痘になりました。健康な成人でも高熱が出て、とても苦しかったことを覚えています。

帯状疱疹は「ワクチン」で予防できる

帯状疱疹は、ワクチンで予防できます。

日本では2018年から帯状疱疹ワクチン(不活性化ワクチン)が打てるようになりました。厚生労働省では50歳以上のワクチン接種を推奨、米国では50歳以上のワクチン接種を義務化しています。

50歳になったら、帯状疱疹を発症する確率がグッと上がるので注意が必要です。帯状疱疹でご自身が苦しまないことはもちろん、周りの人が水ぼうそうで危険な目に遭わないように「帯状疱疹ワクチン」を受けることを検討してみてください。

また、免疫力を低下させないためにはよく眠り、質のよい食事を摂り、適度に運動することが大切です。日頃の生活習慣とワクチン接種で、帯状疱疹に備えておきましょう。

お岩さんの目の腫れは帯状疱疹!ワクチンで予防しよう

お岩さんは目が腫れた怖いお化けだと思われていますが、実は病気によって顔が変形してしまった悲しい女性のお話なんです。

きっと当時は、治療法やワクチンがなく苦しい思いをしたのでしょう。現代でも乳幼児や妊婦、高齢者など重症化しやすい人に感染・発症すると死につながりかねない危険な病気です。

しかし幸い、現代は帯状疱疹を発症しても治療できることが分かっており、事前にワクチンを打っておけば予防もできます。50歳以上の方は帯状疱疹を発症しやすいので、ぜひ帯状疱疹ワクチンの摂取を打つことを検討してみてください。

また、日頃から生活習慣を整えて、免疫力を高めておくことも帯状疱疹の予防につながります。Dr.あきこはYoutubeでも健康を高められる情報を定期的に発信していますので、動画の方もぜひチェックしてみてください。

この記事を書いた人 医師 山下あきこ

1974年、佐賀県生まれ。二児の母。内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医、医学博士。アメリカ神経学会会員でもある。1999年…

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