vol.32:止まらない日本人のメタボ増加 | 株式会社マインドフルヘルス
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2020.03.26 メルマガバックナンバー vol.32:止まらない日本人のメタボ増加

2019.10.11配信

こんにちは!山下あきこです。

アメリカでは全ての州で20%以上の人が肥満だということをご存知でしょうか?
(肥満とはBMI30以上を指します。)
スーパーマーケットやテーマパークでは、高度な肥満で動けない人が店内用車いすを使って移動しています。

一方でアメリカ人の健康意識の高さは日本人よりずっと早くから高まっており、私がフロリダに留学していた2005年ごろにはすでに糖質制限が一般的で、加工食品には「ローファット」ではなく「ローカーボ」が強調されて記載されていました。
それでも肥満人口の増加はとどまるところを知りません。健康知識を得ても行動の変化につながっていないという事です。

では、日本はどうでしょうか?

肥満の人口は特に男性で年々増加しています。
最新統計ではメタボリックシンドロームの人は13-17%です。予備軍も含めると25%程度になります。

日本人の健康意識はアメリカに10年以上遅れを取っています。糖質を制限する人が多くなってきましたが、パンケーキやタピオカ(99.8%糖質です)が大流行しているのを見る限りまだまだ認識が甘いと言わざるを得ません。小麦に含まれるグルテンの有害性についても認知度はあまり高くないようです。
さらに、和食が世界文化遺産に登録されるほど美味で健康に良いと認識されているのに、日本人の食卓は洋風化され続けています。

日本人の和食離れは、おコメの消費量を見れば一目瞭然です。1人あたりのコメの消費量は1962年118.3kg(1日5.4杯)でしたが、2016年は54.4kg(2.5杯)。

ところで、皆さんは1日5杯以上もご飯を食べるなんて太りそうだと感じませんか?
しかし実際には精米がほとんど糖質であるにも関わらず、ご飯をモリモリ食べていた50年前の方が肥満もメタボも少なく生活習慣病もはるかに少なかったのです。

それでは、コメの他に日本人で摂取量が減ったものを見てみましょう。

大豆
2011年の消費量は2000年に比べて36%も減っていました。
2011年の大豆の使用内訳を見ると豆腐は60%、納豆12%、味噌醤油が9%で全体的に大豆食品の摂取が減っているようです。


1954年頃をピークに摂取量がどんどん下がっています。
特にアジ、イワシ、イカの減少が目立っています。食事のメインはほとんどが肉という肉派は6割、魚派はわずか1割です。特に若い人の魚離れが顕著です。

海藻
平成6年から平成28年にかけて40%も減少しています。

椎茸などの乾物
乾物も消費量が減っているのは明らかで、東日本大震災の時にスーパーで一番売れ残っていたのは乾物だったとか。保存が効いて栄養たっぷりな食材なのでもったいないことです。

他にも大きく減ったものがあります。それは・・・

歩数
歩数はここ20年程度の統計ではあまり変化がありませんが、江戸時代の日本人は20kmの範囲であれば歩いて移動していました。さらに畳や板間に座る文化だった事を考えるとたとえ座る仕事であっても、現代のデスクワークのような長時間座りっぱなしという事は少ないと考えます。

睡眠時間
現在40歳代の男性の58%が6時間未満しか眠っていないそうです。
6時間未満の睡眠は、早期死亡率を増加させることが明らかになっています。睡眠不足は糖尿病、高血圧、高コレステロール、肥満、骨粗鬆症、うつ病など様々な病気のリスクを上げるものですが、睡眠はただの休息ととらえている人が多いので、睡眠時間の確保の重要性を多くの人に知って欲しいと思います。

一方、日本人で摂取量が増えたものは

超加工品の摂取
超加工品とは、5つ以上の成分を含む産業用のもので家庭の料理では使用しない物質(カゼイン、硬化油、加水分解タンパク質、液糖、香料、甘味料、着色料、安定剤、防腐剤、増粘剤、乳化剤)などを使用して作られた製品を指します。
全てが危険物質というわけではありませんが、これらを多く摂ることによる健康被害の調査はまだ十分ではありません。少しだけなら大丈夫と思っていると、あっという間に年間7kg(日本人の平均です)を摂取することになります。

今100歳を迎えているような高齢の方が20代の頃はこのような食べ物はほとんどなかったでしょう。

加工品はほとんどがプラスチックパッケージに入っています。プラスチックから染み出す環境攪乱物質も一緒に摂取していることを考えると、とても安全とは言えません。疾病予防のためには家庭で作った食事が最も安全で健康的なのです。

メタボ増加の原因は、食事だけでは語れない、私たちの生活文化の変化が深くかかわっています。これを食べれば良い、これを避けたら良いという話では解決しないのです。

食事、運動、睡眠、環境、今回は語れなかったストレスなどを含めて総合的な健康づくりを行って、これからもずっと健康な毎日を手に入れましょう。

 

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